お互いぼちぼち
2025年6月18日(水)午後1時過ぎに件の床屋さんへ行きました。
珍しく先客が来ていて、1台しか停めれない駐車場にBMWが。
直ぐ近くのコインパーキングに、借りてきた真ダムの車を駐車。
今年74歳になるマスターは、行くたびに衰えが見られます。
今までの、少し目が悪くなり、手が震える症状から、加えて腰がかなり曲がっていました。
学校の校長先生を引退したというBMWの先客が帰った後に、マスターに語り掛けました。
「もうそろそろ引退してもいいんじゃないですか?借金もないんでしょう。奥様と一緒にのんびりしたら」と。
すると間髪入れずに奥様が「冗談でしょう、今までずっと一緒に仕事してきたんですよ。これからは距離を置きますよ」と。
マスターは元気のない苦笑いを返しながら、「いつものように短くでいいですか?」と。
彼と彼の息子がバイクを購入してくれた縁で37年間通っています。
あの頃の亭主関白な感じと、強気な言動を思い出すたびに、私も寂しさを感じざるを得ませんでした。
年内で店を閉める可能性が大きいと感じながら帰宅しました。
その後、午後6時半~8時半まで、ステーキハウス「うまかもん亭」へ行きました。
その日は、その店の開店40周年の記念日だったのです。
以前日本料理を御馳走になったご夫婦への返礼が目的でもあります。
花とかお酒はいろんな人が持ってくるだろうと、私は、古稀の記念に次男夫婦がオーダーしてくれたバイクが背面にプリントされたヨットパーカーと同じものと、取引先から分けてもらったドジャーズの大谷選手顔写真入りのクリアファイルを持って行きました。
マスターがそれはそれは喜んでくれました。
奇しくも同じ年の彼とは、38年に亘る付き合いです。
満席の店内を見渡すと、お祝いの花とか全然飾ってありません。
今年で20年勤務になるM君にその旨尋ねました。
「私でさえ、創業記念日を知りませんでした。マスターは誰にも言っていないようなので、こちらがびっくりしました」
おしゃべり好きで陽気に見える彼ですが、実際は内気な面があるのかもしれません。
本心では嬉しかったようで、我々4人と何度も写真を撮りました。
今までになかったことです。
夜が遅く、立ちっ放しの仕事ゆえ、彼の体調を心配しました。
すると、目も耳も悪くなり、腰もずっと痛いとのこと。
それでも、3代にわたり来て下さるお客様のことを思うと、元気になるそうです。
精算を済ませるとかなり安くなっています。
出口まで送ってくれたマスターに「ちょっと安いんだけど」と耳打ち。
「気にせんでください。鮑はサービスです。今日は本当に有難うございました」
私も「こちらこそ有難うございます。お互い無理せずにぼちぼちいこうね」と店を後にしました。
私と先方のご主人が200gで真ダムと奥様が150gの合計700gで、ヒレとロースを350gずつオーダーしました。
帰りの地下鉄で、真ダムとあの量が食べれなくなったねと顔を見合わせました。
