決め手は人間性
2025年5月15日(木)18:17読了。
「負債1400億円を背負った男の逆転人生」福島 範治 著
息子達ヨ、必ず購入して何度も読むように。
最近、いい本に出合う確率が増えた気がします。
この本は、民事再生の実話であり、経営者だけでなく、銀行マン、弁護士、税理士等にも必読の久しぶりの良書です。
私だったら、あっという間に逃げ出していた気がするというのが感想。
それと、著者の奥様の後日談が無い(離婚したのか既婚のままなのか)ので何とも言えませんが、著者を支えた奥様が凄いし、素晴らしい。
私も知人の経営者の自己破産等は何度も経験していて、それなりに知識もありました。
しかし、民事再生の具体像は今回初めて知り、如何に困難なことか理解できました。
民事再生の決定自体も難しいのに、決定されたとしてもその後も茨の道が続いて行くのです。
自己破産と同様、負債規模によって準備するお金が大きくなる事や、1回でも弁済が滞れば破産に移行することなども初めて知りました。
彼ほど次々に困難な場面に直面する人物も聞いたことがありません。
よく、天を恨まなかったことです。
過去を振り返っても、私の経営に関する困難など、蚤のションベン程度と少々恥ずかしくなりました。
彼が最後の振り返りで「人との出会いには恵まれたと断言できる。それが運の良さに繋がり、運命を変えてくれた。抗えない宿命が、人との出会いで運命となり逆転人生に変わった」と述べたことに大いに共感を覚えました。
そして、次の内容は私も同じ体験をしました。
「人は思考停止になると、何から手を付ければいいのか分からなくなる。だが呆然と立ちつくしているだけでは駄目だ。悩んで、悩んで頭の中だけで考えようとするのもいけない。こういう時はやることを兎に角書き出すしかない。そして、行動することで先の見えない不安感は薄まる」
色んな人の協力があって何度も何度も危機を乗り越えています。
つまり、著者の人間性に惚れた人物たちが数多くいたということです。
経営者は継続的に利益を出し続けなければいけないと同時に、人間性も常に磨き続けなければならないということです。
