しつこい
経営においてもスポーツにおいても「諦めない」というワードは、成功に関する言葉としてよく出てきます。
私もよく使っていたのですが、社員にそのことを言っても、具体的な実行に結びつくことはあまりありませんでした。
その頃から、私は、息子達に経営指南する時に、もっとかみ砕いた表現を使用することにしました。
例えば、誠実であれという言葉の場合→「小さな嘘はつくな」、諦めるなという言葉の場合は→「しつこくあれ」という具合。
「しつこくあれ」は『諦めが悪い』と言い換えても良いかもしれません。
よくこのブログに登場する取引先で最もできると私と子供達が思っている、建設業界のA氏。
我々3人が彼を一言で表現する時には「兎に角しつこい」という単語に収まるのです。
極論すれば、相手に嫌われようがどうしようが、何事もなかったように笑顔で接してくるのです。
少々高くても良い物件を持ってくるので、次第に彼への信頼が高まります。
「仕事も人生も準備が8割」が私の信条です。
A氏はこの点もぬかりありません。
我々が欲しいと思える物件の場所を持ってくるのです。
そこに我々が興味を示すと、それからは泥臭くしつこく交渉してきます。
最近色んな経営相談を受けて思うことは、「お洒落、格好良すぎ、スマート」といった感覚です。
まあ私が古い人間なのでしょうが、「泥臭い、遠回り、無駄、繰り返し」等の語句がほとんどありません。
私は、ド素人で二輪業界に入り、商売のノウハウもありませんでした。
つまり、今の私を造っているのは、「泥臭さ、遠回り、無駄、繰り返し」にプラスして、「人の裏切り」を数多く体験したからです。
それらのことが、今になって肥やしとなり、コスパやタイパにも負けない変幻自在の行動力に昇華しています。
色んな経営書を読み漁り、色んな経営者の話を聞き、身近な人の倒産劇にも遭遇して思うこと。
中小企業の経営者は
1.朝から晩まで猛烈に働け(無駄や遠回りはオッケイ)
2.各業界の人と本音で付き合え
3.利益が出る体質を常に考えろ
4.個人は倹約に努め、会社に現金を残せ
5.小さな嘘はつくな
6.あきれるほどしつこくなれ
この6つのことを意識して、小さな事を疎かにしなければ、倒産することはまずないというのが私の結論です。