真実の重み
兵庫県知事選で、県議会議員全員から退場勧告を受けた前知事が返り咲きました。
今までだったらあり得ない事変です。
私のようにネットのSNSなど信用もしていないし、見てもいない人達からすれば、何でもあり感が漂います。
確かにマスコミやTV、新聞報道にいきすぎや間違いはあるでしょう。
しかし、きちんと倫理委員会のような検証の場があります。
翻ってSNSの投稿は嘘八百でも何のお咎めもありません。
怖いと思ったのは、知人達までが亡くなった局長が自分の不正が暴かれるのを恐れたという説を言い始めたことです。
問題はそこにはありません。
内部通報制度を使った情報の元をオープンにしたこと自体が問題なのです。
事の真偽は分かりませんが、この点だけでも返り咲いた知事は猛省すべきことは真実です。
2024年11月17日(日)午後2時10分読了。
「がん『エセ医療』の罠 岩澤倫彦 著」
サブタイトルが「あなたを喰いモノにする『自由診療』免疫療法に騙されるな!」
この本は、上記の知事選と違い、「命と希望」が掛かっている点で真実に重みがあります。
最近、既述したように友人、知人の癌での死亡を知るにつれ、この病気に関心を持ちました。
巷では、手術はしない方が良いとか、いろんな意見が散見され、もし自分が罹患した場合何を選択すればよいのか迷う可能性が大きいからです。
この本が全てにおいて正しいとは限りませんが、少なくともエビデンスを最重要視していることと、実際に起きたことを詳述している点で私はかなりの評価をしました。
日本の癌に対する標準医療は、「手術・X線照射・化学療法」など。
国立がんセンター研究所によると『科学的根拠に基づいた観点で、がんの種類ごとに現在利用できる最良の治療であることが示され、多くの患者さんに行われることが推奨される治療」と定義されています。
藁をもすがる心境の患者に、免疫療法等を勧める事例が書かれています。
中には苦しみながら4クール1600万円を支払った例も出てきます。
これらのあり得ない治療が放置されている背景もきちんと説明されています。
問題点を探していくと、『言葉の印象』という一言に行きつきます。
「標準医療」と「最新医療」という言葉を比較すると、後者の方が断然良い気がします。
しかし、こと医療に関しては前者の方が圧倒的に良いことを知るべきです。
「最新医療」には、科学的根拠に基づくものが不足しているからです。
我々の世代の半数は癌に罹患する確率があります。
老若男女、この本は「命と希望」の指針となる必読書だと思いました。