少しでもお役に立てれば
携帯のメールに連絡が入りました。
私は彼の学生時代から性格を知っていて、面白い人物と思い、何かと目をかけていました。
地方銀行へ就職したので、私が彼に「君を常務にまでしてあげる」と約束しました。
大手企業サラリーマンと中小企業の親父(経営者)の両方を体験している私にとっては分かりやすいことです。
内容は、今年34歳になる彼が同期100人超の中でトップ8人に入り課長に昇進したとのこと。
嬉しかったですね。我が子が昇進したような感じがしました。
頭取賞を5回も取るほどの実力ですから、予見は出来ていました。
難関大学の高学歴者ではない彼にアドバイスしたのは、中小企業の親父に対しては「御用聞きに徹しろ」と。
サラリーマンとしては「人の嫌がることを進んでしろ」「名前を覚えてもらえ」。
いまのまま驕らず謙虚に行動を重ねていけば、次長、支店長までは見えてきます。
その間に歴史書や古典を読んで知識や教養を身に着けるべきです。
重役になるには、やはり他の人と違う大きなアドバンテージが必要となるのです。
数日前にご夫婦で同業者の社長が我が家に来られました。
経営に関する相談があるとのことでした。
その人は30数年前から私は知っており、人格者だと思い観察し続けていました。
あるバイクショップの店長を辞めて独立されてから8年になります。
お店をオープンした時に訪問させていただいたのですが、かなり辺鄙な場所の立地と、さほど大きくない店舗でした。
私自身大丈夫かと思っていたのですが、彼も同郷の同業者から2年は持たないと言われ、意地でも3年は続ける覚悟だったそうです。
当初は彼と奥様の二人での創業でしたが、今では従業員も二人雇い、増収増益を続けています。
個人商店ではないレベルの売上高となり法人化したが故の悩みでした。
私の最初のアドバイスは、人を雇った以上働く環境整備が一番というと、週休二日制にして労働時間も8時間以内にするとのこと。
次に、従業員と彼とで将来どのような店にしたいか、どのような会社にしたいか話し合いを持てと。
流石です。将来はメーカーのディーラーになりたいと全員が同じ気持ちだそうです。
それなら簡単。
先ず、資本金を100万円から1000万円になるだけ早く増資する事。
取引銀行をある地方銀行に変えること。
月次決算を取り入れること。
日々の業務は、工賃を上げて1%でもよいので粗利率の向上を図ること。
自分の好き嫌いに拘わらず、法人になれば世間は『点数評価』してきます。
先ずはその点数を上げるにはどのような行動が必要かを知ることです。
まだ法人化して第一期の決算書しかないので具体的なアドバイスは難しい。
3期揃えば長所と欠点は見えてきます。
甘い希望的観測だけ言っても彼のためになりません。
次男坊の輸入2輪車ディーラーに連れて行き、家賃を含む経費等がいくらくらいかかるか教えました。
ディーラーになるにはかなり参入障壁が高くなっており、資金が豊富に必要となるのです。
借り入れを起こす場合にも、自分の年齢等の勘案が必須となります。
どのような形で私のアドバイスが受け入れられているのか分かりませんが、何だか少しは役に立っている感じがして、私自身もっといろんな知識を身に付けなければと思っています。