大きなリスクだが大きなチャンス
2024年8月14日付け日経新聞朝刊の記事。
タイトルが「車整備士、なり手不足深刻」サブタイトルが『求人倍率4.7倍 専門学校は入学半減』。
私が随分前から危惧していた問題が、一気に噴き出した感があります。
2輪業界は更に深刻だと感じています。
「整備士資格」は国家資格となります。
人命を預かるわけですから当然のことでしょう。
少子高齢化により新車の販売台数の漸減は仕方ありません。
しかし、保有台数は一気に減るわけではないのです。
このまま整備士不足が続けば、整備不良による事故が増える可能性は否定できません。
私が今後の2輪業界は技術力(整備能力)が趨勢を決めると何度も言ってきました。
このままいくとそのスピードが速くなりそうです。
また、整備士の獲得競争の相手が大手自動車販売店になってきます。
この大きな危機を真剣に捉えていない二輪ディーラーが多い気がします。
優秀な整備士を何人かかえているかが生き残りを左右します。
では、優秀な整備士を確保するには何が必要か?
先ずは整備工場の環境整備。次に整備士の賃金アップ。生産性効率の教育実施。
そして何より「人命を預かっている」という誇りと責任を持ってもらう事です。
その上で、5年かけて自社で整備士資格を取ってもらう事です。
メーカーや輸入元はともすれば販売店を蔑ろにしたり下に見ます。
きちんとした整備が出来ないディーラの数がいくらあっても、何の意味もありません。
アフターが出来ない販売店が増えれば、メーカーや輸入元はどうするつもりでしょう?
ここに2輪業界の販売店ならではの大きなチャンスがあります。
優秀なメカニックが多い企業は、多くのメーカーや輸入元からディーラーになってもらいたく、それらの交渉条件も販売店有利な方向へ変わっていくものと予想します。
旧態然とした考え方で、販売店を下に見ているメーカーや輸入元は必ずやしっぺ返しを食う時代となりました。
これからは、そこら辺の大学へ行くより整備士になった方がより良い生活ができる時代になる気がします。