器
自宅の居間を本部にしているせいで、
余程のことがない限り、一日家を空けることができません。
先日も、セコムが15年経過するからということで
最新式のものに変えるために、朝早くから工事に入りました。
その日は、午後4時には自宅で
測量士との打ち合わせの予定が入っていましたので
昼すぐから店を回り、3時半頃帰宅の予定でした。
午後すぐに家を出れば、2軒は回れます。
ところが、セコムがインターネットにうまくつながりません。
どうも、最近NTTでセキュリティを強化したことが
原因のようでした。
昼過ぎまでかかるようでしたので、外出は無理と判断し
読みかけの本を一気に読了しました。
山本一力作「かんじき飛脚」
これは、読書通のTV「アタック・チャンス」司会者である
故児玉清氏が、後書きを書かれるほど推薦された本です。
噂に違わず、非常に面白い本でした。
綿密な歴史考察で時代背景がくっきりと浮かび上がり
その時々の必死に生きる人間模様が、
細かな描写で書かれています。
終始一貫しているのが、「自分が想い慕う人のために尽くす姿」です。
特に上に立つものの矜恃には感動させられました。
読み終えてすぐに思い出したのが
山岡鉄舟が次郎長に
「お主のために死ねる部下は何人いるか」との問いに
次郎長が
「一人もいません。しかし、私は自分の部下の為ならいつでも死ねます」と
応えたくだりです。
時代錯誤と嘲笑されましょうが、やはり私は
この本やこの言葉に男としての生きざまを見るのです。