改めて不動産
私は多店舗経営を行っていくうちに、自然と不動産の重要性を認識しました。
店舗も住宅も『立地』が全てと理解しています。
店舗に関しては、30数年前と今では『好立地』の定義そのものが違ってきました。
昔は、周辺人口数や年代別階層それに車の交通量等が重要でした。
現在は、少々田舎で人口が少なくても、高速道路等のインターチェンジ近くで駐車スペースに余裕がある方が良いという具合です。
また、キャッシュフローと将来性を考えると、店舗用地の取得は多店舗展開には困難との結論に達しました。
一方個人の財産である住宅に関しては、何度も記述しましたが地下鉄七隈線沿線を徹底して購入と区別しています。
11月6日(日)付け日経新聞朝刊1面トップに、住宅ローンのことが掲載されていました。
日本の住宅ローン残高が、2022年6月末で史上最高の220兆円に膨張したとの記事です。
そのうちの70%以上が金利の低い変動金利で、この金利が0.1%上昇する毎に約1100億円の利息負担増となるそうです。
米国も同様に融資残高は増えていますが、日本と決定的に違う点があります。
米国は住宅ローン金利以上に住宅の資産価値が上がっているのです。
一方日本は消費財に近く、何らかの事情で返済が行き詰って住宅を売却しても負債が残り、家計が破綻しやすいと警告を発しているのです。
不動産専門の大学教授が「資産価値が残りやすい住宅を選ぶ意識が自衛になる」との記述もありました。
私から言わせれば、専門家でなくても当然の意識だと思っています。
自宅購入の理由の一番に、将来の資産価値まで考えた人は一体何人いるでしょうか?
恐らくほとんどの人が違った理由で購入しているものと思われます。
運よく何事もなく30年前後支払いを続けて完済したとします。
しかし、資産価値を考えていない住宅の場合、土地の価値は全体の20~30%くらいしかありません。
老後の資金捻出にはほとんど寄与しないのです。
子供達が相続して売却しても、解体費用や測量費用等を合わせて、マイナスになったような笑えない話も多々あるのです。
不動産は、一生その場所に住むつもりでも、本来は大きな資産と成り得るのです。
私は住宅も資産である以上、売買をしながらさらに価値を増やすほうが良いとの考えです。
35年で大体購入時の倍の金額を支払うこととなります。そこを理解していない人があまりに多過ぎます。