運命を創る
立ち止まり振り返る日々が続きます。
私の場合は、偉人の名言や著作を読み返すことから始めます。
10月1日(土)23時37分に上記タイトルの本を読了しました。
裏表紙を見ると、1985年12月15日(日)午前2時読了と記されていました。
およそ37年ぶりに読み返したことになります。
翌年の7月末で会社を退職することになるのですが、その7か月前には辞めるかどうか不安で一杯だったのでしょう。
「運命を創る 安岡正篤 著」定価1300円で発行日が12月10日ということは、新刊を直ぐに手に入れたことになります。
この人は東洋政治哲学・人間学の権威です。
改めて読み返し、赤線が昔より今回の方が多くなったのは、それなりに経験を積んで偉人の考え方が理解できるようになったからでしょう。
彼は今から70数年前から日本に警告を発していました。
「日本人は気骨を失ってしまった。本当に下司な商人になってしまった。精神さえしっかりすれば、必ず運命は開ける。身を挺して修養努力する先覚者、指導者を一人でも多く出す以外に救いはない。」
当時から民衆に迎合する風潮(最近の世界各国のブームであるポピュリズム)を誤りと看破していました。
「民主主義は、大衆の中からいかにエリートを出して、これをいかに懸命に組織するか、これをいかに有能に活用するかだ」
「戦争というものは、戦略というものは、あらゆる手段を以って相手を誤算に陥れるもの」
「近来の学業卒業生には、頭がいいとか、才があるとかという人間はざらに居りますが、人間が出来ているというのはさっぱりいない。人間教育の根本は家庭教育にあります」
「五十という声がかかると、人間は野心というものに見切りをつける。内容のない諦めに他ならない。六十になっても六十になっただけ変化すべき。人間は生きている限り、年をとればとるほど良く変わっていかなければならない」
「広くいい友達を持ち、接触面を豊かにする。そして、むしろ専門外、職業外の友人を大切にする。つまらない友達、悪友、愚友とは付き合わないようにする」
「どんな仕事でも、心掛けの如何によっては、一生の仕事とするに足りるに相違ないのです」
37年前と同じ個所にマーカーを引いたものは「とにかく学ばぬといかん、という事だけは確かであります。『学ばぬといかん』、これは堅苦しくしかつめらしい教訓ではなく、お互い病気をしてはいかんと、ごく当たり前にいうのと同じ感じの『学ばぬといかん』であります。」
「精神を、ある一つのことに集中すると、霊感や機智が生じるもので、そうすると異常なことが出来るものであります」
「絶えず人知れぬ善いことをする、どんな小さなことでもよろしい、大小にかかわらず、機会があったら、人知れず善いことをしていこうと志すことであります」