心模様
以前にも記述しましたが、警察庁は毎年日本国内の「行方不明者の状況」を公表しています。
令和2年版では、それまでに比較してかなり減少し、約77000件。
それまでもおよそ8万件で推移しているそうです。
その中で、大抵は何らかの形で見つかるのですが、見つからない人が毎年1万人以上いるとのこと。
最近では、9歳以下の子供が増加傾向にあるということで注意喚起をしています。
2022年7月29日(金)に「残された人が編む物語」 桂望実 著 を読了しました。
5話からなる小説なのですが、全てが行方不明者とその人に関わりある人々の人生を扱っています。
平易な文章とリアリズムが、一気に最後まで読ませました。
非常に考えさせられるものでした。人間の強さ弱さと、優しさと傲慢。
それぞれの人々の心模様が、遺体発見後に展開していきます。
読了後は、普通の人生の有難さと、何があっても強く生きねばならないという感覚にとらわれる作品でした。