こんなことが、あるんだ
チューリッヒ(1/15)でスイス国立銀行の
ジョルダン総裁が「1ユーロ=1.2スイスフラン」を廃止すると同時に
中銀預金金利を「-0.25」から「-0.75」へと引き下げを
発表しました。
EU加盟国は2015年1月8日現在、JETROによりますと
28ヶ国です。
経済や政策で独自の国内システム(プライベートバンクの守秘性)等を
EUの基準に合わせるデメリットを考慮して
スイスは加盟していません。
国全体で人口は高々814万人(2013年末 JETRO)しかいない
九州よりわずかに狭いこの国が、俄然注目されました。
名目GDPでも下記の通りです。(2013年末 JETRO)
米国 167.680億ドル
中国 94.691億ドル
日本 48.985億ドル
スイス 6.858億ドル
スイスは自国の経済を守るために
2011年の欧州経済危機の時に、為替介入を公然と表明しました。
「1ユーロ=1.2スイスフラン」を上限に
とことんユーロを買い続けるという意志です。
その政策が4年経たずして、瓦解したのです。
スイス国立銀行が負けを認めたと同じことなのです。
その日を境に一気にスイスフランの高騰が始まりました。
一時「1ユーロ=0.9スイスフラン」を切るまで
およそ、30%以上の高騰です。
一瞬にして損害を被った金融機関が、
かなり出てくると思われます。
窮余の策が「中銀預金金利-0.75%」です。
スイスフランをため込んで、中央銀行に預金しようとすると
お金がどんどん減っていきますという政策です。
銀行にお金を預けると、元金がどんどん減るという
「マイナス金利」なのです。
対岸の火事という訳にはいきません。
日本でもつい最近、5年物の国債の金利が
遂に「0%」になりました。
この現象の動向も、原油価格下落動向、
ギリシャ総選挙後動向と共に目が離せません。
ただ、ミクロで見ますと、したたかに
スイスの一般庶民は、このスイスフラン高で、一斉に
パリに買い物に出かけているそうです。