キャッシュ
経営の非常事態の時に、一番重要なものが現預金です。
赤字でもキャッシュがあれば倒産しなくて、黒字でもキャッシュが回らなくなれば倒産します。
経営はこの点を徹底的に理解することから始まります。
理想は無借金経営であることは、どの人も納得できるでしょう。
しかし、この無借金にもいろいろあることに気づくべきです。
きちんと説明すると、理想は、借金が無く純資産が厚く、かつ現預金が総資産の50%以上あること。
逆に危ないのが、借金は無いけれど純資産も少ない、かつ現預金も総資産の10%未満というもの。
理由は環境の急変により、売上高の急減があった場合、資金がショートします。その時に慌てて銀行に駆け込んでもタイムラグが生じて倒産の確率が高くなるからです。
2輪業界の場合は、特に気を付けなければならないのが、流動資産の中の棚卸資産。
つまり在庫金額が大きいために、その中に長期不良在庫が存在し、その分資金繰りを圧迫します。
また今般のように、商談が成立しながら、入庫がかなり先の場合にかなりの売り掛け金の増加となります。
一般的には、この勘定科目は流動資産となりますが、弊社グループは流動比率をより厳密に見るために、売り掛け金はマイナス計上します。そのうえで、流動比率200%以上を目指します。
少し難しい話になってきましたので、各店長でもわかりやすい指標を示します。
2輪業界の場合、現預金は月商の2か月分以上、かつ総資産の30%以上を目指すことです。
ここまでくれば、こちらから頼まなくても銀行は低利で借りて欲しいと言ってくるはずです。