修復
NHKのBSで、「繭山浩司」氏の密着取材が放映されていました。
彼は何者かというと『美術古陶磁復元師』。
大切で貴重な陶磁器が破損したときに、それを修復する仕事です。
2015年にはかなり細かく破損した「鍋島色絵芙蓉文大皿」を完璧に修理し完成させ、佐賀県立九州陶磁文化館に寄贈しています。
TVのタイトルがかなり刺激的でした。
(禁断とも呼べる技の紹介)「ゴットハンド闇より来る修復師」。
有名な美術館所蔵のものや著名人のものも手掛け、その数何と5000点。
息子さんが一緒に修行中で、3代にわたって続いています。
完成された品を見ると、何処から誰が見ても割れていたものとは気づきません。
一般的には、金継ぎという技法で欠けた部分を繋ぎ合わせます。
その場合は、見た目もすぐに修復がわかってしまうのです。
息子達に、信用や信頼の話をするときに言う言葉があります。
「どんなに高価で鮮やかな花瓶もでも一度割れたら修復できない」
何度か裏切られた私の体験からの言葉です。
しかし、このドキュメントを見て、かなり今までの概念が覆されました。
心の傷までは、完全修復とはいきませんが、外観は修復出来うるのです。
非常に哲学を感じた番組でした。