歓迎すべきだが一抹の不安
九州、沖縄8県の2021年度上半期(4~9月)の新規法人数が6783社となり、前年比34.6%も増加したとの報道が有りました。
このコロナ禍で、新たなチャレンジをする人が増えるという事は、素晴らしいし歓迎すべきことです。
増加数が一番多かったのが福岡市で2979社、増加率は38.4%。
増加率が一番高かったのが長崎市で51.5%増の397社。
この増加の理由は、市区町村があの手この手で、地方創生に絡めて起業を支援しているからです。
その効果が出始めたと自治体も安堵しているとのこと。
生命も社会も新陳代謝で成り立っています。
倒産・廃業する企業よりも、新たに生まれる企業の数が多くなれば、経済は活性化するし、自治体も潤います。
起業支援の内容をよく読むと、補助金や弁護士・税理士を常駐させて相談に応じる等至れり尽くせりです。
私の時などは、自分で本を読み漁り、設立登記まで法務局に何度も足を運び、自分で行いました。
理想とする弁護士や税理士を見つける時も、色んな情報や人の縁を頼り吟味に吟味を重ねました。
多くの時間を費やし、失敗を重ねて、今の盤石ともいえる士業の人達と、共に戦える陣容を築きあげたのです。
私本人は、何時自己破産をするかもしれないという恐怖を振り払うには、猛烈に働くしか手段はありませんでした。
余りに恵まれた環境の現在の起業家たちに、背水の陣の感覚はない気がします。
昭和の感性と笑われそうですが、他人の何倍も働くという意識が重要なことは、いつの世も変わらない気がします。
数字だけ見て成果を強調するには、一抹の不安を感じます。