運・不運
中小企業を経営している人なら、何度か悩むことが税の繰り延べです。
朝から晩まで他の人の何倍も働き続ければ、どのような環境下でも利益が出ることが有ります。
それもたまに大きな時があります。
その様な時に、支払う税金を想像し余りの多さに愕然としてしまいます。
銀行や税理士に相談して、対応を図ります。
今までは生命保険が有力な手段でした。ところが最近では、それではほとんど効果がなくなっています。
合法的な税の繰り延べは、航空機等のリースしか残っていません。
但しこの制度設計は、最低金額が大きく、途中解約が不可でお金を寝せる期間も長い、というデメリットがあります。
本来ならこの二つのリスクだけを考えればよかったのですが、最近ではこの他にも大きなリスクが生じています。
今まででしたら、期間を過ぎて航空機を売却してその金額も元本に当てていました。
ところが最近では、燃費向上等の為に大型機の人気がなくなり、中小型機に需要がシフトしていました。
それに追い打ちをかけるように、コロナの影響で需要が蒸発してしまったのです。
そのせいで、最近では中古大型航空機は今までの相場の半分くらいに値下がりしているとのこと。
10年前後前にこの設計で税の繰り延べをした企業は、償還時期を延長されるか、損失を被るかの可能性があります。
経営者にとっては、「運・不運」が作用する方法ではあります。