澁澤栄一
「小説 渋沢栄一」津本陽著の上下巻を読了しました。
日本資本主義の父とか言われていますが、近代日本国家を造った人という方が的を射ている気がします。
彼がいなかったら、当時どこかの植民地か属国になっていたことでしょう。
九州や沖縄など、日本国とは認められなくなってしまったかもしれません。
私が今までこうしてビジネスを行ってこれたのも、元をただせば彼のお陰なのです。
これ程の偉業を成し遂げ、日本国内だけでなく世界からも人物評価も高い人が、今まであまり話題にならなかったことが不思議です。
私利を排し、公益や国の為に全力を尽くす姿に、架空の人物かと思えるほどでした。
唯一人間味を感じたのが、奥様や子供達にもばれていた(本人は秘密にしておいた)愛人がいたことです。
実業家である彼の言葉には、私にも合点のゆくものがあります。
明治10年11月5日の銀行同盟択善会議にて銀行の基本理念を述べています。
「よろしくパーソナル・セキュリティ(人物を信じて抵当となす)をもって貸借を行う方法を開設しなければならない」
この基本理念を銀行家が守っていれば、バブルなど起こらなかったかもしれません。
「得意淡然 失意泰然」と、「小事は大事」もよく出てきます。
a small leak can sink a great ship (小さな水漏れが大きな船を沈める)
そして事業を始める時の心得
1.それが道理に正しいか
2.時運に適しているか
3.人の和を得ているか
4.おのが分に相応しいか
彼にとっては全てが新規事業でした。
当然単なる苦労どころではありません。
何故彼はそれを成しえたか?
☆絶対に諦めなかった。
☆とことんお金を融通した。
私の体験からも、この二つが成功の秘訣だと確信出来ました。