夜更かし
資産もなければ、頭脳もないものが成功しようと思えば、時間を味方につけるしかありません。
人が遊んでいる時に、勉強をし仕事をこなし、倹約を続けそのたまった元手でチャレンジすることです。
安心・安全で皆保険に守られている日本で、この様なことをいうと笑われそうです。
久しぶりに夜更かしをしてしまいました。
私には時間だけが味方であり、その時間を長く持たせるために健康には人一倍気を使っています。
特にここ数年は、就寝時間を午後11時~午前零時とルーティン化していました。
ところが、2025年11月15日(日)に寝床に入ったのは午前3時過ぎでした。
2025年11月15日(日)きっかり午前3時に読了。
「ながい坂 下巻」 山本周五郎 著
上巻は2025年10月29日(水)0:06に読了していました。
両巻でおよそ1200ページ弱ある長編です。
野心のある男性は、正月休みにでも是非一読する価値があります。
簡単に言えば、下級武士が階級社会の当時では考えられない城代家老にまで上り詰める小説です。
野心を持つきっかけは、身分の差で大きく差別されることへの怒りから来ています。
勉学に勤しみ、剣術の腕を磨くのです。
現代版の、暇を惜しんでの勉強と人の倍働くことと同じと思います。
対照的に描かれているのが、嘗ての城代家老の長男。
現代版の長身でハンサムでお金持ちの家柄も良い人物。
この人物が、主人公と真剣を構えた時に自分の敗北を感じて、親の言うなりの人生に嫌気がさし堕落していきます。
主人公は自分を前面に出すことはほとんどしません。
人の意見をよく聞き、長老や庶民に好かれ、色んな階層からの情報を集め、先を読んでいきます。
大きな手柄を立てても、自分は表に出ないのです。
しかし、それらのことが重なると、逆に誰だということに世間はなり、彼にたどり着いていきます。
主人公の所属する藩主は、跡目争いに臥薪嘗胆しながらも、これまた色んな人物を通して情報収集していて、この主人公こそを自分が信頼できる人物とゆるぎない決断をします。
女性との絡みも秀逸な文章で、エロ本では味わえない官能への刺激を感じることができます。
「伽」という言葉が出てきて、前後の文章で意味は理解できましたが、(とぎ)という響きが特に良い。
野心がありながらも謙虚で、一歩ずつ階段を上っていく男には、やはり女性は本能的に惚れるものです。
後20年若ければと思いながら眠りにつきました。
