過信しないように
2025年10月16日(木)19:19読了。
「株高不況」 藤代宏一 著
この本は老若男女、是非読んで欲しい本です。
わずか188ページの新書ですが、時宜を得た本です。
日本経済の現状を平易な文章と図表で、分かりやすく解説しています。
サブタイトルが『株価は高いのに生活が厳しい本当の理由』
難しく考えないで金融リテラシィが身に付きます。
結論からいうと、私が今まで述べてきたことを、体系的に分かりやすく解説した本。
私は長年の投資経験、経営者経験、多読による情報収集によってオリジナルな『勘』を醸成してきましたが、散発的なその『勘』を簡易に理論的に表現しています。
過信はいかんぞというくらい、私は相当な自信を持ちました。
今後もインフレが続き、「リスクを取らないことがリスクになる」(決断が遅れれば遅れるほど機会損失が大きくなる)、日本企業は捨てたものではないという二つの結論です。
よく考えれば理解できることですが、インフレ率を加味した実質金利で考えることが重要ということを、分かりやすい例で示しています。
日銀が政策金利を現状の0.5%から0.75%に上げたとしても、実質金利はマイナスで、所謂金融緩和状態なのです。
定期昇給とベアの違いの解説は秀逸です。
日本の労働生産性が低いと言われていることに関する反論も、的を得て(近年は的を射るの誤用ではなくなった)います。
労働生産性の中で「質」まで考えた文献を始めて見ました。
確かに2023年の実質労働生産性1位のアイルランドと日本を比較する方がおかしい。
タックスヘブンになっているだけの国なのですから。
最後の方に、これからのインフレ経済の日本における対処法が書かれています。
単純に言えば、株式を持ちなさいということです。
物価高で消費者を苦しめているインフレは、企業側から見ると増収増益要因で、投資家から見ると「吉報」となると結論付けています。
売上100・コスト50・利益50がインフレで売り上げ200・コスト100・利益100となれば、株価は2倍になります。
私の防御株で、取得価格と現在価格をチェックしました。
「個人口座」のJR九州と日本郵政は共に約1.4倍、「一人法人」の西日本FHは約3倍。
ただ、「個人口座」の筑邦銀行は9年以上含み損のままであることも忘れてはなりません。
リスクをどう捉えるかによって、今後10年くらいは資産形成上大きな差になると確信しました。
高市女史が総理大臣になると、日経平均5万円も夢ではなくなる気がしています。
