激変の時代がくる
二輪業界の輸入車部門で、大きな変化が出てきました。
記述しましたが、ハーレーダビットソンの公正取引法違反で、販売店の再編が進んでいます。
これが他のブランドにも波及し出したのです。
福岡市内のある企業のホームページに、ヨーロッパブランドのKTMとの正規ディーラー契約を、9月末に終了するとの内容が掲載されました。
このKTMというブランドは、日本国内においては、ハーレー、BMW、トライアンフ、ドカティに続く販売台数でした。
どのブランドも九州においては、先ず福岡県を最重要視します。
それにも拘らず、資金力も豊富といわれていた会社が取引を止めて、ついに九州でのディーラーは大分県1店になってしまいました。
日本における輸入元の販路政策としては、大失敗だと思います。
弊社グループの輸入部門も、用品と車両の在庫で苦しんでいる状態を記述しました。
すでに大ナタを振るい改善中なので、来年からは劇的によくなります。
この差はどこから出てくるのか?
簡単に言えば、月次決算をしっかりと行い、その財務諸表をきちんと分析できているかどうかということに尽きます。
そのうえで、とことん現場を知ることが、中小企業では経営者の最重要事項となります。
2025年9月2日(火)17:07 読了。
「いかなる時代環境でも利益を出す仕組み」アイリスオーヤマ会長 大山健太郎 著
経営者、特に2代目、3代目には是非読んで欲しい本です。
業態としては、メーカーであり卸であり、小売業でもあるという、独自のスタイルを築いていて、我々二輪業界にそのまま当てはめることは出来ません。
しかし、経営には理念が必要であり、それを社員が強く共感していることが重要、仕事を断らないなどの姿勢は、我々にも共通することです。
競争戦略の基本は「他社との差別化」であることは、どの経営者も理解できています。
しかし、他社よりベターでは駄目で、ディファレントでなければならないまで深堀しなければ意味がないという指摘は、目からうろこでした。
大山氏の考えで通底していることは、プロダクトアウトでもなく、マーケットインでもなく、『ユーザーイン』。
簡単に言えば、お客様が何を欲しているかをとことん追求する。
世の中に完成されたものはなく、時代や環境によって、今までの常識を疑えば、どんどん成長できるというもの。
ビジネスは面倒くさいことにこそチャンスがあり、小さなことを積み重ねていけば、振り返ったときには他社と大きな距離ができている。
アンケート調査では、需要創造は出来ないという点も同感です。
リスクはしっかり取り続けるが、無茶はしない。
キャッシュフローを重視し、特に減価償却にこだわる。割増償却制度等はしっかりと調査して最大限利用する。
考え方の大筋は私と同じでした。
経営において重要なのは、各種指標の優劣ではなく、チャンスをいかにつかむか。
社員教育の一丁目一番は「挨拶」。
社員は大切にするが、評価は厳しくするという点は、我々はまだ甘いと感じました。
我がグループの改善点は、お店ごとの目標設定の方法が杜撰だということ。
各店長もスタッフも、未達成でも達成でもどうでもよい雰囲気が蔓延しているからです。
店ごとの1年間の目標設定を店長に任せるのではなく、個人個人に設定させ、きちんと評価をする必要性があります。
まあ、私が口出しすることではありません。
息子たちがこの本を読んでどう行動に移すかでしょう。
