凡事徹底 

 (ぼんじてってい)意味は、当たり前のことを徹底的に行うこと、またはこれを極めて他の追随を許さぬこと。

この標語は、建設現場でよく目にすることが出来ます。

我々も同様、人の命を預かる職業として、「凡事徹底」は必須なのです。

但し、この四字熟語にも落とし穴があることを忘れてはいけません。

 つまり、『当たり前』という概念が時代とともに変遷するからです。

常にこの『当たり前』に疑問を持ちつつ、時代に対応しながらの「凡事徹底」でなければ意味がありません。

 分かりやすく二輪業界で考えてみましょう。

一つの例が、私が一番嫌う在庫の数量問題です。

私が創業した頃は、二輪業界もかなりのポテンシャルがあり、なるだけ多くのメーカーをなるだけ大量に揃える「併売店」が強い時代で、その頃はほとんど「専売店(専門店)」はありませんでした。

ところがどうでしょう、現在は「専門店」か「中古車店」しか生き残っていません。

私の場合は、資金が不足していて、各種メーカーの車両を大量に仕入れることも出来ず、お店も狭いものでしたので、どのメーカーかに絞ることが最善と考えたことと、当時「専門店」は誰も見向きもしなくて、天邪鬼の私にぴったりの形態だったのです。

この形態にすることによって、当時の「当たり前」の品揃えは、一つのメーカーだけなら併売店にもあまり負けないようになります。

 現在では、メーカー主導で大型の専門店化が進んでいるので、参入障壁がかなり高くなっています。

ということは、競争がレッドオーシャンからブルーオーシャンに変遷していることなのです。

メーカーも専門店化が大体終了し棲み分けがはっきりしたこと、各ディーラーがかなりの投資金額を投入して撤退出来難くなったこと、等を理由として、今度は商品在庫をどんどん増やさせる政策に転換しています。

メーカーの当たり前は「品切れは機会損失」と「自分の実績重視」のためです。

 ここで敢えて私が逆説的に警鐘を鳴らしたい。

欲しい品がなくても「待ってもらえばいい」のです。

また、「そんなに売らなくていい」のです。

「究極の当たり前」は、何度もお客様が来たいと思う店造りに邁進することです。

在庫を増やしたり、大幅な値引きしたりすることは、逆に優良顧客を逃すことになります。

 大量に在庫して、大幅な安売りでかなりの顧客が増加していけば、その店のサービスは必然的に下がっていきます。

そうなると優良顧客はどんどん逃げていくのです。

私の理想の『当たり前』は、「(中型専門店)・(少数精鋭のスタッフ+女性アシスタント)・(ゆったりとした空間が確保できる在庫数)・(楽しいイベント)・(きちんとした技術力)・店単店の利益額は前年比5%アップ」

 少子高齢化が進むこれから、大量在庫を抱え、売上高だけ追うような専門店は、早晩衰退すると思っています。

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