差別ではなく区別

 大丸の外商と真ダムが契約し、その新人若者担当者を私が試していることも記述しました。

地方国立大学出の、一見機敏そうには見えない彼でしたが、一生懸命さは伝わってきました。

すでに我が家に4回も来訪しています。

その都度、高級輸入時計、金宝飾、ブランド洋服、真珠の専門家を同伴してくるのです。

私は彼に、「デパートでの買い物は地下の食品売り場の割引品くらいよ。特に欲しいものはない」と言っているにも拘らず、いつも笑顔で元気よく来るのです。

そこで私が「2028年までに今までで最大の株式投資を行うので、それが上手くいったら、九州で一番高額と言われている、現在建設中の福岡簡易裁判所跡の高層階を事務所として購入するから、その時に備品等で1000万円くらい使う予定、その時まで君が辞めなければ可能性はある」と。

「厚顔無恥」と「大言壮語」は私のトレードマークです。

 彼はその後も頻繁にスマホに(外商お得意様)情報を送ってきます。

大したもんだと思いながらも、その後大丸に行くこともありませんでした。

 先日彼から電話があり、面白い人の講演が(外商お得意様)のみにあるという内容でした。

興味が湧いたので真ダムを連れて東館5階の『孔雀の間』へと初めて行きました。

講師は、お笑い芸人で且つ占い師の「島田修平」氏。

タイトルは「手相による開運」。

 いや~~、驚きましたね。

わざと場所が分かり難くされていて、開演時間ぎりぎりで「孔雀の間」に到着。

黒いスーツ姿の男女の社員10数人が一斉にこちらに深いお辞儀をするのです。

 到着しても入り口がありません。

すると待機していた担当の彼が、スマホを壁上にある四角い機械にかざすと、スーとドアというより壁が開いたのです。

「今日の講演は300万円コースの部屋です」「この左手が100万円コースの部屋、これが500万円コースの部屋、そしてここが最高の1000万円コースの部屋」と紹介してくれました。

すべての部屋の内部は観ることが出来ないようになっていました。

年間の使用額によって部屋が違うのです。

久し振りに資本主義を体験しました。

 講演の内容は実に面白いものでした。

右手が生まれた時のもので、左手が現在で手相はどんどん変化するそうです。

感情線、頭脳線、生命線等の話があり、財運、健康運、恋愛運の観方が伝授されましたが、私も真ダムも皺だらけの手相は全然大したことはありませんでした。

20数名参加の中で、ある男性一人と女性一人が強運らしくかなり場が盛り上がりました。

講演者の最後の言葉は同感でした。

「『運』は運ぶと書きます。先ず動くことが『運』を引き寄せます。何より大切なことは真剣に『自分は運がいい』と思い続けること」

これなら、手相は大したことはない私も得意中の得意です。

 講演終了後、担当の彼が付いてきてくださいというので、我々二人とミニスカートが似合う娘と一緒の母親風の二人の合計4人が、本館8階の催事フロアーへ。

またまた、ビックリとおったまげました。

金の宝飾大手企業で、マラソン選手の大迫選手をサポートしているSGCの「大黄金展」が開催されていたのです。

福岡大丸創業50周年を記念して、このSGCが九州で初の常設展示場を設けたことの一環だそうです。

ガードマンだけで5人くらいいました。

 先ず目に飛び込んできたのが、金箔を約5500枚使用した高さ2メートルの「金箔ゴジラ」の像。

暫くは非売品にするそうですが、価格は1億1000万円。

我々夫婦はこのゴジラの前に立ち写真を撮ってもらいました。来年の年賀状の写真が決定した瞬間です。

1000点に及ぶ商品をSGCの女性社員が丁寧に案内してくれました。

価格が表示されている中では、最安値が金0.2g仕様の本のしおりが12.700円で、最高は金20キロを使用した、昭和元年から100年の節目を記念して作成された大判が、何と7億2600万円。

 途中で別室に通され、抹茶と和菓子が提供されました。

その抹茶の金茶碗が何と一つ1400万円。二人で感動しながら2800万円の重みを感じました。

そのあとは、金塊12キロを実際持ち上げられる催しに参加。

大きなクリアボックスの天井の丸い穴から手を差し込んで、重さ12キロの長い金の延べ棒をつかむのです。

かなり重くて私がやっと持ち上げられて、真ダムは無理でした。

 帰り際には、冷菓や記念葉書、ウェットティッシュ等が入ったお土産まで二人分用意してくれていました。

担当の彼に、我々と一緒に来た娘さんと奥様風はどんな職業か聞いたところ、ご主人がお医者さんとのこと。

遂に、バイク屋が医者と同列となりました(私はなにも購入していないのに)。

納得しながら、こんな高額商品を買う人がいるのか尋ねると、「昨日現金を数千万円持参されて購入していかれた方がいらっしゃいます」。

 あまりの格差が非常に勉強になりましたし、売り手側からすると、お客様を区別するのは理にかなっているとも思いました。

面白い時代に生きているという実感が何とも嬉しくなりました。

地下の食品売り場で、高級肉で有名な柿安の2割引きの弁当を二つ買い、その日の夕食にしました。

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