改めて思うこと
38年間の経営の体験から、改めて思うことがいくつかあります。
私が決めた社是である「信頼と感謝」で、先ずお世話になった人に感謝することは当然として、形に表さないと人に伝わらないこと。
次が、信頼して任せるが『信用』はしないこと。
信頼していた人が、その人の環境急変で裏切ることは多々あります。
上記以外にも、下記二つのことを意識して現在の自分があると思っています。
一つは「大法螺を吹く」。これは昨日も記述しましたが、でかい目標を言いふらすことが、如何に自分の行動力を増幅させるかということです。
他人が、相手にしないどころか馬鹿にするレベルがいいと思っています。
次が「巧遅は拙速に如かず」という考え方。
仕事の出来が良くて遅いよりも、出来が悪くても速い方が良い。
色んな解釈があるようですが、私なりの考えでは、やはり仕事の出来は良い方がいいに決まっています。
それでも、敢えてどちらを優先するかと問われれば、断然「速さ」です。
慎重さよりも俊敏性が中小企業にはより重要と体験しました。
店を出店する場合、立地、人材、資金等、色んな要素があり、それらが完全に揃うまで待って取り掛かる頃には、想定していた環境とは違うものになっている可能性が大きいのです。
それよりは、素早い決断で行動を起こして修正を繰り返すほうが、中小企業には合っていると感じます。
特にインフレが進行中の現在であれば、今まで以上に速い決断と行動が求められます。
私は、経験上3割の確率でも成功がイメージできれば、行動を起こします。
一般的にはかなり無謀です。
しかし、小資本で人材も少ない等の小さな会社が、より大きな会社に競争で勝ち残っていくには、相当のリスクを冒さねばならないのです。
勝率8割まで待つ間に、大きな会社に潰されてしまうことでしょう。
その他人が思うところの3割の勝率を、実際は5割、6割と倍増する方法は自分の『勘』を信じ切ることだと思っています。
このあやふやな『勘』は日頃から、常にいろんな場面を空想してシミュレーションを繰り返すことでしか養えません。
特に、不動産絡みでは、情報が入った場所に何度も赴き自分の五感を磨くこと、更には異業種の店舗観察も怠らないこと。
それらを何度も行うことで、自分なりの場所に自分なりの店を空想で出店していきます。
人材では、核になる一人を見つけ出せば、後は何とかなります。
核になる人間の覚悟を、何度も膝をつき合わせて醸成すべきです。
そして、成功の暁には思い切った褒賞を与えればよい。
資金は、将来的なビジョンを常に銀行に語っていれば、融資は可能性が高くなります。
「まさか」が頻繁に起こる現代です。
完璧を目指して悩んでいたら、あっという間に変わる環境のせいで、何時まで経っても行動を起こせない気がします。
他社より圧倒的スピードで行動を起こすことが、成功の秘訣と考えています。
屋台骨を揺るがすほどの失敗でなければ、気にかけないことです。
中小企業に大チャンス到来だと私の『勘』がささやいています。
