大法螺の効能

 最近何度か面白いTVコマーシャルに遭遇しました。

大きなタイトルで「西の大和、東の早慶」。

タイトルの後に瀟洒(しょうしゃ)な校舎群が映り、そこでやっと大学の広告と理解できました。

人生の今までで聞いたこともない大学名でしたし、早慶と比肩させるとは何とも「おバカな」学校との印象を持ったものです。

その名は「大和大学」。

 しかし、最近の調査でこの学校の定員急増が報告されています。

2014年開学時点の定員390人が、今年は1400人となっているのです。

偏差値までは調べませんでしたが、プライム上場企業への就職も2~3人に1人と実績を残しています。

先ず、中学・高校をつくり進学校にして東大への合格率を上げ、満を持して奈良から大阪へと進出するのです。

 最近、近畿大学の評判が上がるにつれ偏差値も上昇傾向です。

ここでもキャッチコピーを「早慶近」と打ち出し世間の顰蹙を買ったものです。

ところが、情報学部を新設し情報学部長に、プレイステーションの生みの親であるソニーの天才異端児である久夛良木健氏を招聘してから、様相が一変していきます。

 少子高齢化で廃校や定員割れとなる大学が多い中での快挙とも言えます。

国立大学でさえ、独立採算が求められる昨今。

教育という「聖域」は完全にビジネスとなった感があります。

 と、なるとどうなるか?

「大法螺」が有効となってくるのです。

ニデックの永守重信氏が創業時に「1兆円企業にする」と社員に公言していた事よりはかなり可愛いものですが。

大きな変革時には、普通の感覚からしたら「おバカさん」と言われる人物や感性が必要だとつくづく思いました。

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