いい感じの男
長男夫婦が真ダムに「母の日」のプレゼントとして、フランス料理をご馳走してくれることになりました。
本来なら私も一緒に行くのですが、その日は以前から人と会う約束があり、私だけ事務所へ向かいました。
約束の2分前にマンション入り口のインターフォンが鳴りました。
スーツ姿の中肉中背の、真面目そうな男性でした。
彼は、大手M&A会社の後任として私に連絡を取ってきたのです。
以前記述しましたが、私は有名なM&A会社3社と面談をしていました。
業界の内情も知りたいし、弊社グループの客観的価値も知りたかったからです。
一度は秘密保持契約まで結び、M&Aの流れも勉強したものです。
どのような情報を持ってくるのか、また高年俸で就職人気業種の担当者のレベルを知るにもちょうどよいのです。
名刺交換をして、名前にフリガナが振ってありました。
「この名前は、フリガナがないとほとんどの人は読めないと思うよ。君のお父さんは学者かなんか?」
「学者ではありません。その由来は何度聞いても教えてもらえないのです」と。
いつものように出身地と年齢等を聞きました。
36歳の東京都出身でM大学卒。奥様も同じ大学で一目ぼれして結婚。
その奥様の出身地が宮崎県で、子供への環境等も考えて、宮崎に一軒家を購入し、自分は福岡市内に単身赴任中。
会社が東京から福岡市内への転勤を許してくれたとのこと。
時代は変わったものです。会社都合ではなく、自己都合で会社が転勤をさせてくれる時代なのです。
宮崎の一軒家は敷地が100坪もあり、東京や福岡市内では考えられませんと。
その土地の坪単価が何と9万円だったそうです。我が家のおよそ1/10です。
佐賀でも思ったのですが、宮崎もゆとりある幸せな人生が送れそうです。
8歳の長女と5歳の長男がいて単身赴任しているので子育てが心配と。
そこで私が、ラグビーの園児に対する指導方法を教えてあげました。
一生懸命にノートにメモを取る姿に、「ふ~~ん、いいやつだな」と。
残念ながら、二輪関係のM&A情報はありませんでした。
そこで私は彼に「中小案件であれば、どのような業種でもよいので情報をもってきてほしい」と頼みました。
後継者がいない異業種を、私の経営理論で成長させてみたいのです。
「一人法人」の会社であれば、自分の資産の限りで思い切った投資が私一人の決断でできます。
投資の神様ウォーレンバフェットと同様なことをやってみたい誘惑に最近駆られています。
彼には、私の10億ドルの野望も話しました。
いい案件があればどんどん持ってきますと、嬉しそうに帰っていく後姿が可愛いものでした。
