再確認

 2025年5月12日(月)23:41 読了。

「中小企業の財務の強化書」古田圡 満  川名 徹 共著

 5月12日(月)の朝から、先日休日を取っていた熊本店へ、真ダムと一緒に出掛けました。

店内在庫は未だに多いままでした。月曜日のせいかお客様はほとんど来られませんでした。

工場内も若い二人のメカニックは、それほど忙しそうではありませんでした。

店長に熊本県内の二輪業界の話を聞いて、変化が感じられなかったので、車に戻り、上記の本を車中で読み進めました。

 私の独自の経営理論は、体験から殆どが来ていて、何かおかしいと思った時に、それらに関する本を読んでいるというレベルで、とても体系的とは言えないのです。

今回この本を読んで、自分の経営理論(中小の二輪業界に関しては)に間違いはなかったと自信が持てました。

 これからの若い経営者や店長が読んでも、殆どピンとは来ないでしょう。

財務には「管理会計」と「財務会計」があると言っても恐らく???

簡単に言えば、「財務会計」は間違いのない詳細の数字で、税務署や関連先に提出する数字。

一方「管理会計」は、それこそ中小企業の経営者や店長が、販売や利益の傾向を知るアバウトな数字。

 この本にも、「変動費」「固定費」「損益分岐点比率」等現場では聞き慣れない言葉が出てきます。

折角「総利益」「営業利益」「経常利益」「純利益」「現預金」「自己資本比率」が理解できたばかりな人には、ちんぷんかんぷん。

 弊社店長クラスも上記6項目に加えて、「売上高」と「総利益」と「粗利率」までは、理解も出来て毎月のデータを見ているはずです。

これからお話しすることは、あくまで中小の二輪業界に当てはまると思ってください。

財務関連の本を読んで、どうしても「変動費」と「固定費」の項目が出てきたら、「変動費」=「売上原価」、「固定費」=「販管費」と考えても問題ありません。

次に、「負債」という言葉も頻繁に出てきます。この「負債」は一般的に考えられる銀行からの借り入れの「金融債務」とそれ以外の「信用債務」があり、特に「金融債務」の異動には注意を払う。

「金融債務」は、1年未満で返済する「短期借入」と1年以上で返済する「長期借入」がある。

「短期借入」が増えると自転車操業になりやすいことも忘れないように。

 この「金融債務」を私が重視している訳は、貸借対照表の左側一番上位に出てくる「現預金」がこれを超えることを目指す目標となるからです。

「現預金」が「金融債務」より多いということは、即ち「無借金企業」と言えるからです。

 この本を読んで一つだけ私の間違いがあり勉強になったことがあります。

税込1980円で理解できたとしたら、とても安いものです。

私は息子達に「債務償還年数」というものを銀行は重視する旨を何度も強調してきました。

これは「減価償却」+「税引き後利益」が借入金返済の原資という考え方。

間違ってはいないのですが、この数式の欠点は在庫過多になった時に資金ショートして借入返済が上手くいかなくなることです。

 私の現役時代は、在庫を徹底して抑えていたので、この数式で全然問題はありませんでした。

しかし、現在の息子達を見ているとどちらのグループも在庫過多なのです。

在庫がいくら多くても経常利益はプラスになります。

しかし、現金が在庫に代わっている分だけ、借入金返済原資は減るのです。

 では、どのように管理したら良いのでしょうか。

ここでCF(キャッシュフロー計算書)が出てきます。

結論をいえばフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー)が金融債務の返済原資となります。

 どれだけ財務の本を読んでも、月次決算がなければお話になりません。

仮に月次決算を行っても、そのデータが「残高試算表」のみでは、普通の経営者や店長クラスでは、傾向すらつかめません。

3期分の(変動費と固定費 言い換えれば売上原価と販管費)がわかるPLの作成が先ず第一歩です。

それに加えて毎月のCFの作成も必須となります。

 それらが出来ることを前提に、中小二輪業界が目指す数字を列挙します。

1.売上高 毎年漸増を目指す(急増の時には注意)

2.粗利率 35%

3.一人当たり経常利益 300万円 (パート等は0.5人で計算)

4.自己資本比率 40%以上

 利益が出た時に何を優先するのか?

1番は内部留保に回すことです。上場企業等は社員の賃金を上げない、株主に還元しない等で、内部留保が貯まっている状態が非難されていて、取り崩す傾向にあります。

中小企業でそれはやってはいけません。非常事態に中小企業を助けてくれるバックボーンなど存在しないからです。

災害や大きな事故等があって会社の事業が1年止まっても、社員と家族が守れるレベルの内部留保は最低必要なのです。

その次に社員の賃金アップとなります。

日頃から経営者は、社員とこのことが共通認識となるように伝え続けることです。

 売上高1億円レベルでは、上記のようなことはあまり必要ないかもしれません。

しかし、2億円以上ともなると、上記知識があって実行に移す経営者や店長とそうでない人には、雲泥の差が付きます。

 

 

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