息子達に伝授したこと
後数か月で私は、二輪業界の直接的な経営から退きます。
38年に亘りやって来れた要因を考えると、シンプルな回答があります。
それは、このブログでも何度も記述しましたが、大切にする順番を間違えなかったことです。
1番は「従業員」、2番は「取引先」、3番は「お客様」そして最後が自分。
一人で休む暇もなく店を開けていたときには、大切なのは「お客様」のみで、取引先も自分に有利な会社を選べばよいレベルとしか考えていませんでした。
しかし、従業員を一人雇い始めると、その人の家族も守らねばならない事を痛感してからは、先ずは「従業員ファースト」が自然のことになりました。
従業員が一人、また一人と増えていくと同時に、二輪業界の内情が理解できるようになって、「取引先」の重要性が分かってきました。
ここで「取引先」が大切にする2番目となったのです。
かといって「お客様」を蔑ろ(ないがしろ)にしていたわけではありません。
しっかり対応していても、価格で他店へ流れたり、気分で他のメーカーに乗り換えたり、することは普通のことでした。
この時点で「お客様」の重要度は3番目になったのです。
逆説的になるのですが、「従業員」と「取引先」を大切にすることが、最終的には「お客様」満足に繋がることに気づいたのです。
会社から大切にされていると感じた従業員は、お客様への接客も明るく親切になるものなのです。
また「取引先」を大切にしてきたことが、彼等から選ばれる要因となり現在生き残っているのです。
息子達にはこの「従業員」と「取引先」に常に感謝することを伝えています。
それに加えて、弊社グループで長年にわたり何台も購入して下さる「超優良お客様」には、目に見える形で『恩』を返しなさいとアドバイスしています。
最近になり、人手不足の影響でやっと企業が「従業員」を大切にするようになりました。
私は30年以上に亘り、それを実践してきました。
多店舗展開できている大きな要因は、大切な「従業員」と「取引先」のお陰以外何物でもないのです。
