ヒエラルキー

 Hierarchie 広辞苑によるとドイツ語で、「ピラミッド型の階級支配制度、上下関係の厳しい組織や秩序」とあります。

日経新聞の2025年3月24日(月)付朝刊の中ページの見出し。

「生活保護、過半が65歳以上」というもので、最近の私はこの「65歳以上」という単語に敏感に反応します。

 生活保護は収入が地域ごとの最低賃金を下回る人に、日常生活費や家賃、医療費などを支給する制度とあります。

この受給者が2000年度の103万人から2023年度には199万人に急増しているそうです。

この受給者のうち65歳以上が占める割合が58%もあると報じています。

その高齢者の内単身者が占める割合が8割に上ると。

 特に一人暮らしの場合は家計が厳しくなりやすい。

理由は世帯単位でかかるコストの一人当たりの負担率が大きくなるため。

 生活保護費のうち5割が医療費でトップ、生活費が3割、住宅費が2割の割合。

生活保護の費用は75%が国、25%を地方が負担している。

初めて知ることばかりでした。かなり身につまされる内容で、今でも我々夫婦は二人で働ける現状を有難く感じました。

 世界から日本を見ると、日本経済の凋落ぶりがこれらの貧困層を拡大していることが理解できます。

OECD(経済協力開発機構)によると、日本の平均賃金は約614万円で、加盟国38ヵ国中25位とのこと。

『経済大国』と言われていた時代が懐かしい気がします。

『1億総中流』と言われていた中流層はどこへいったのでしょう。

 今年発表された野村総合研究所の「2023年度 富裕層ヒエラルキー」が話題になりました。

不動産等を除く純金融資産保有額を推定しているものです。

超富裕層(5億円以上)11.8万世帯、富裕層(1億円以上5億円未満)153.5万世帯、準富裕層(5000万円以上1億円未満)403.9万世帯、アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)576.5万世帯、マス層(3000万円未満)4424.7万世帯。

日本全国5570.4万世帯のうちマス層だけで79%を占めるわけですから、中流層など無いに等しいのです。

 個人に目を転じると、資本家階級(血統や資産を持つ)、新中間階級(大企業エリート)、旧中間階級(自営業者)、正規労働者階級、アンダークラスと分けることが出来るとのこと。

最近の賃上げブームで、大企業エリートの賃金上昇が顕著だそうです。

これらのことを考えれば、親としては子供に勉強させていい大学に行かせ、大企業に就職させたいと願う気持ちは理解できます。

 キーエンスや三菱商事の平均年収が2000万円を超えたと話題になりました。

特に五大商社の賃金上昇率は群を抜いていて、就活人気でも上位にランクされています。

 しかし、物事は多面的に見ることです。

その日本の五大商社の株式を、それぞれ9%以上持っているのがウォーレンバフェットなのです。

彼は猛烈に仕事をするわけでもなく、激しい出世競争に加わるわけでもなく、のんびりとコカ・コーラを飲みながら本を読んでいたら、年に2回莫大なお金が通帳に入金されているのです。

 中卒、高卒でも、足し算、引き算、掛け算、割り算が出来て本が読め、投資に真剣に向き合えば、大企業のエリート以上の収入を得ることが出来るのです。

ここに気づいていない日本人がいかに多いか!?

所詮、現代の資本主義は、欧米に都合の良いように設計されていることを子供達にも教えることです。

 色んな政治家がいろんなことをガタガタ言っています。

私の願いはただ二つ。

戦争のない国にすること。

平等ではなく公平な国にすること。

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