上場企業とは違う
株式投資を行っていると、嫌でも横文字の指標をみることになります。
また、上場企業の社長の話題にも頻繁に出てきます。
その主なものは4つあります。
1.PER (Price Earnings Ratio) 株価収益率 一般的には低い方が割安
2.PBR (Price Book-value Ratio) 株価純資産倍率 一般的には低い方が割安
3.ROA (Return On Assets) 総資産利益率 一般的には高い方が経営効率が良い
4.ROE (Return On Equity) 自己資本利益率 一般的には高い方が経営効率が良い
最近の日本の上場企業で問題になっているのが、内部留保が積み上がり過ぎて、株主への還元が少ないということです。
東京証券取引所や外国資本のプレッシャーがあって、日本企業の良いところである内部留保を取り崩す動きが活発です。
最近では特にROA、ROEの指標が注目されています。
ただここで問題なのは、4番目のROEの数字を上げる方法の一つが、「内部留保を減らし借金を増やすこと」が含まれているのです。
経営指標に慣れてきて、業績が良くなると中小企業の中にもこのROEを語る経営者がいます。
私はこれはとんでもない間違いだと考えています。
上場企業の経営者は株価を上げる人が一番評価されます。
そのためにいろんな指標を駆使するのです。
ところが中小企業の社長は会社を継続発展させる人が一番評価されるのです。
継続発展させるためには何が一番必要か。
このような不確実な環境下では先ず「現金」です。同様に「人」も必要ですが。
どんど内部留保をため込んで現金を積み重ねることです。
ROEが低くても構いません。「現・預金」を増やして自己資本比率を上げることが中小企業の社長の役目なのです。
この「現・預金」が毎月の経費の半年分あれば、6か月間売上ゼロでもやって行けるのです。
粗利率が30%を超えるならば、平均月商の2ヶ月分あれば、自然災害が起きても何とか立ち直れると考えています。
最後は誰も守ってくれない事を、中小企業の経営者は骨の髄まで沁み込ませることです。
このことが完全に理解できれば、次に「現・預金」の一部を保険や有価証券で運用に回すのです。
私の場合は、一般的な中小企業の経営者と違い、この「保険・有価証券運用」の比率が高いと思います。