功罪相半ばす
昨日のネットニュースに、ハーレーダビッドソンジャパンの野田一夫社長が、2024年12月末で退任するとの報道がありました。
以前に私も記述しましたが、「押し込み販売・抱き合わせ販売」の容疑で、今年の7月30日に公正取引委員会が立ち入り検査に入っていました。
西日本新聞の社説にも同社を糾弾する記事が掲載されていました。
私は彼とは浅からぬ縁があります。
彼は福岡市出身で地方国立大学卒というのも、私好みだったのです。
何度か会って話をしたり、会食したりする中で彼の上昇志向を強く感じました。
この性格は私は決して嫌いではなく、面白味を感じたものです。
彼が我々輸入二輪車メーカーの社長になった時に、店舗移設をいきなり言い出しました。
相当な費用が発生するし、当時社長を任せていた人物は責任が持てないと会社を辞めるとまでなりました。
私は次男と話し合いを重ね、今まで出店のサポートをしてもらっていた大手建設会社に相談。
すると、我々の希望通りの建設をしてくれる代わりに、高額の賃貸料が発生することになりました。
大家と建設会社と何度か交渉を重ね、私の試算では最悪の損失額が5000万円くらいになると判断。
5000万円くらいなら何とかなるから、チャレンジしろと次男に大半を任せることにしました。
ここから、次男の会社の急成長が始まり、今ではこの店がグループ全体でダントツの売上高と総利益を叩き出しています。
当時、野田社長の有無言わせずのごり押しがなければ、現在の次男の会社は無かったのです。
「フェラーリ」「ベントレー」「メルセデス」「マクラーレン」「アストンマーティン」のディーラーと同じ地区にこの店はあるのです。
一般的なバイク屋さんの発想では、出店は不可能だったでしょう。
高額の賃貸料を支払えるビジネスモデルが出来れば、次の展開は容易になります。
勢いで熊本店、鹿児島店をオープンさせたのです。
このような観点から、我がグループにとっては、いい意味で成長の分岐点を作ってくれたのが彼です。
暫くは業界から干されることでしょう。
何かの縁で私に連絡があれば夕食を御馳走しようと思っています。
商いの原点である「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三方良しを忘れない事です。