中小企業成功の法則
これをすれば絶対に上手くいくなどというつもりはありませんが、私がそこそこ成功していると思っている会社の内情を知るにつけ、共通項があるのも事実です。
先ず一番重要なのが奥様の理解。夫婦で支え合っていくことが特に同族企業では必須と思います。
次に大切なことが、経営者が短期や長期で会社をどのようにしたいのか明確にしていること。
会社の将来像をきちんと言葉や文字にすること。
その時その時に儲ければよいという考え方では、早晩行き詰ります。
『考え方により、同じ行為でも行為そのものが意味を持ってくるのです』
新聞に面白い記事が掲載されていました。
1.一人目に「何をしているのですか?」と尋ねると、「ご覧のようにレンガを積んでいます」
2.二人目は「レンガを積んで壁を作っています」
3.三人目は「レンガを積んで大聖堂を造っています。子供が大きくなった時、お父さんがこの教会のレンガを積んだと伝えることを楽しみに毎日レンガを積んでいます」
以上のようにしっかりとした二つの要素の基礎が重要なのです。
意外に簡単そうですが、これらを明確にしている2輪業界の会社は少ない気がします。
好きなことも大切ですが、こと経営に関しては上記2点が優先されると実感しています。
次男が創業70年を迎える会社の記念式典に招待されたそうです。
3代目の社長披露も兼ねていたとのことです。
様子を聞くと、社長の挨拶が練習の跡が見えなかったという点と、専務が力を持っている点、車がアルファードからメルセデスのゲレンデに変わっていた点が気になったと。
我が息子ながら着眼点は間違っていません。これらに気づく段階で経営者としての資質を感じます。
「売り家と唐様で書く三代目」という故事があります。
(三代目が家業を疎かにして家を売る羽目になり、道楽で覚えた唐様の書体で「売り家」と書く)
経営コンサルタントの記事を見ると、同族で長寿企業の倒産は6割が三代目で起こっていると書かれています。
数百年前と変わらない現象なのでしょう。
原因は大きく二つあると思われます。
1.経営資源である、「人・物・金・情報」を自ら集める苦労も算段も知らない
2.50年近くたったビジネスモデル自体が陳腐化していて環境変化に対応できない
残り4割の三代目は、更に業績を伸ばして会社を成長させています。
成功する秘訣は簡単です。
1.社員全員の中で最も仕事をする(社員は大いに休ませるが自分は休日返上で働く)
2.とことん現場を知ることを徹底する
3.常に倹約し内部留保を厚くする
4.部下の情報を鵜吞みにせず、自ら動いて情報を集め検証する
私も中小企業レベルの再生には自信がありますが、中堅企業となると全く別物の気がしています。