ピンチをチャンスに
一昨日、真ダムと一緒にアクロスへ行きました。
九州市民大学の第38期講演を聞きに行くためです。
取引銀行から無料招待券を2枚貰っていたのです。
講演者は第72代横綱 稀勢の里 二所ノ関親方。
タイトルは「我が相撲道に一片の悔いなし」。
あまり期待していなかったのですが、その笑顔と正直さに最後まで聞き込みました。
冒頭、「実は悔いだらけの人生でした。引退会見であのように言ったのでタイトルにしただけ」
笑いを誘い、一気のつかみには成功しました。
幼い頃からスポーツ万能で小学生から中学生まで野球選手。
右投げ右打ちのピッチャーで4番打者。
一番肝心な中学3年生の時に右腕を骨折。
治癒しなかった数か月間左手だけ使っていたら、何でも出来て実は左利きと判明。
中学卒業と同時に一番けいこがきついと言われていた相撲部屋に入ります。
熱心さと左腕の強さで史上2番目の年少記録18歳3か月で新入幕を果たす。
ところが十両になろうとする直前に左手首を骨折。
そこで手の骨折がしにくい押っつけの技が上手く強くなります。
長い大関の期間を経てやっと横綱になるのですが、そこで胸の筋肉を断裂し2度の優勝で引退。
引退後、高校・大学を飛び越して早稲田大学大学院スポーツ科学研究科を終了し、「新しい相撲部屋の在り方」をテーマにした修士論文が最優秀論文に選ばれます。
相撲部屋では珍しい、地方創生の一環として茨城県に二所ノ関部屋を開設。
弟子の大の里が大関に昇進。
常に怪我に苦悩した相撲人生だったので、そうならないような力士を育て、子供達が相撲に興味を持ってくれる工夫をするために大学院へ行ったそうです。
見るからに素直な人柄が大層気に入りました。
怪我という大きなピンチの度に、今できる最適なことは何かを考えそれを実行していたら、いつの間にかそれが強みになっていたとのこと。
また、迷った時には困難な方を選んだ場合が常に上手くいったそうです。
人生も経営も相撲道と同じだと感じました。
TVをほとんど見ない私ですが、この九州場所はNHKをしっかりと見てみようという気になりました。