中小企業の壁
以前から中小企業の壁の記述はしていました。
大半が売上高の話でした。
先ず1億円の壁、次に3億円、5億円そして10億円となります。
私も現役を退く時には売上高が97000万円で10億円の壁を超えることはできませんでした。
今までは、この売上高を見ていればよかったのですが、インフレが長期化し、従業員の賃金アップを毎年行うには、最近特に強調している「粗利」が大きなポイントとなります。
総利益が上がらなければ、給与を上げることは不可能なのです。
この総利益の一人当たりの額にも中小企業の壁があるのです。
それは、年間2000万円/1人の壁です。
中小企業では殆ど超えることが出来ません。
2輪業界でも同様ですが、まともに黒字になっている会社でおおよそ1300万円~1500万円です。
これを2000万円にする場合を考えてみましょう。
社員3人+パート女性1人=3.5人の標準で試算します。
3.5人×2000万円=7000万円
粗利率が30%の場合7000万円÷0.3≒2憶3300万円の売上高が必要。
『粗利率が35%の場合7000万円÷0.35=2億円』
私の経験則では2輪業界における理想の形は上記のモデルです。
これが出来さえすれば、中小企業の一人当たりの総利益2000万円超は可能なのです。
つまり、毎年の賃上げにも十分に対応できます。
因みに日本国内で平均給与が一番高い会社はキーエンス。
実に平均年収が2000万円を超えますが、年間一人当たりの利益は1億円を超えています。
低価格を大量販売する事業モデルでは、大量の在庫と人員が必要となり、必然として社員の給料を抑えなければ黒字にならないのです。
少数精鋭部隊で高額商品に絞り売り切るために必要なことは何か?
それは、お店の『ブランド力(イメージ)』に他なりません。
小さなお店でも、何かの特徴をとらえて『ブランド力』を磨く努力を怠らない事です。
これからは2輪業界の経営者や店長は『2000万円/1人の粗利』を頭に叩き込みましょう。