格差は広がる
我々2輪業界はどちらかというと小売業に分類されます。
車両本体の売り上げ高がかなり大きいためです。
しかし、粗利率が低い新車の販売だけでは、総利益は増えませんし、経営的にも苦しくなります。
新車の販売は将来への種まきとして重要ですが、直近の利益率改善には役立ちません。
そこで利益率を上げるために、中古車の販売比率を高めたり、工賃売り上げを大きくする必要があるのです。
中古車の手当ての原則は、販売した新車の下取りと買い取りです。
これを効率的に行うためには、お客様との信頼関係が何より重要となります。
つまり、日頃からの小さな誠実さが求められるのです。
工賃を上げる秘訣は、滞留期間を短くすること。
工場こそ整理・整頓・清掃・清潔・躾・作法を徹底する事。
部品用品の必要最低限の在庫管理も必須です。
売上高2億円で粗利率が25%の企業の総利益は5000万円。
かたや1.4億円の売上高で粗利率38%だったら総利益は5320万円。
そのためにも値下げせずに正価で売り切る。
さらに大切なことは、新車に関しては戦略的な場合を除き、商品を徹底して絞り込むことです。
ここでも大半の店は誤解しています。より多くの種類のバイクがより多く展示されていた方が良いと。
「小売りの王道は仕入れた商品をできるだけ早く売り切ること」
これを繰り返すことさえすれば、知らず知らずのうちにお金が貯まっていきます。
バイク屋さんのアルアル。『値引きしないと売れない』『在庫が多くないと売れない』
10台の在庫で4台残った場合と5台の在庫で完売の場合、6台の売り上げの方が売上高は大きいのですが経営的には駄目なパターン。
絶対に忘れてはいけないことは、『経営とは終わりのない駅伝競走と同じ』で、ある時だけ理由もなく売上高が大幅に増えても意味がないのです。
店舗経営の無駄を徹底的に省き、余計な販促もしない。
小売業なら粗利率35~40%を目指すべきです。
賃料の安い店で且つ広い売り場を探すことも重要な一歩となります。
少しの意識改革で今後益々格差は広がることでしょう。