少しの緊張感
先日メールに、使用クレジットカードの支払予定額が送られてきました。
「えっ、 こんなに」と思わず声を上げました。
55万円強の、金額だったのです。
すぐに詳細を調べると、その内容に納得しました。
事務所用のパソコンや冷蔵庫を購入していて、かつ鹿児島や長崎の出張で宿泊代が増えていたのです。
現役の社長のころは、このような心配はほとんどしませんでした。
毎月売り上げがあってその残高金額も大きく、カードの支払いなど微々たるものだったからです。
ところが、私の一人法人は違います。
現在、賃貸収入がある投資用不動産はありません。
株式投資も、含み損を抱えたままで、売買できずに利益もありません。
つまり収入は株の配当金と1社の経営コンサルタント料金のみなのです。
このような状況の中でも、毎月家賃が10万円、電気・ガス・水道・通信費・接待費etc.とかかります。
私の給料はゼロでも、30万ほど出費となるのです。
今後残りのコクヨの事務機等の支払いが約80万円ほどあります。
あっという間の資金枯渇です。
事業承継で会社経営から少しずつ離れ、この7年ほどは資金繰りを考えたことはありません。
その分、ストレスフリーだったのです。
久しぶりに緊張感を覚えました。
しかし、この緊張感を持つことこそが、事務所を真ダム邸の二階からわざわざこのマンションに移した理由でもあるのです。
今までであれば、無料の賃料で椅子のすぐ後ろにベッドがあり疲れたら横になりそのままボーッと。
階下に降りていけば点けられているTVをついつい見てしまいます。
このように楽な生活からは何も生まれません。
出過ぎた杭になるには、敢えて困難な状況を作り出し、それに果敢に挑戦するしかないのです。
マンションのエレベータに乗り合わせた、生後数か月の赤ん坊を抱きかかえた30歳前後の可愛らしい女性。
なんと最上階の16階のボタンが点灯しているではありませんか!?
このマンション56戸のうち15階と16階の5戸のみ億ションなのです。
笑顔で挨拶された私は8階で降りながら、一体彼女は何者なのかという疑問に想像力を掻き立てられていました。
妄想に浸りながら、自分の部屋の玄関を開けて右手に折れます。
そのまま廊下を通り突き当りのリビングに到着。
広々とした窓のカーテンを開けると、遠方に油山とその背後の背振り山系が青空の下に見えました。
しばらく眺めていて振り返り机へと向かうと、読みかけの週刊東洋経済誌が机上にありました。
椅子に座る頃には、あの妄想も雲散霧消。
次の事務所は20階以上で且つ100㎡以上、そして2億円以上の物件に移るぞと燃えてきました。
この単純なバカみたいな気分になれるのが、私が人と違うところかもしれません。