感謝と危惧

 2024年8月21日(水)14:13分読了。

「日本の食糧安全保障と国際環境 八木浩平・野口敦夫・林瑞穂 著」をやっと読了しました。

何かの雑誌で面白いと思い、行きつけの書店に注文したのですが、入荷して会計の時に先ず驚きました。

税込4180円もしたからです。

小さな文字や図表で300ページ超に及びます。

 失敗したと思いましたが、仕方ありません。勿体ないし読み進めることにしました。

読んでいくうちに、この本は農学部等の大学卒業時に提出する、卒業論文を書くレベルの高度な内容と感じました。

シグマを使用した統計学等も頻繁に出てきます。

 購入して1.5か月ほどかけてやっと読了したのです。

ほとんどが頭に入っていませんし、理解も大したことはないでしょう。

 カロリーベースで日本の食糧自給率が低いことは知っていました。

令和4年度で38%しかないのです。つまり62%を輸入に頼っているという事。

円安がグローバル企業に恩恵を与えても、一般庶民には大いに逆風になる必然です。

 読んで驚いたことが数点あります。

特に、トウモロコシ、大豆、小麦等をほとんど輸入に頼っていること。

このトウモロコシ、大豆等は、家畜のえさやバイオ燃料にもなり、需給の乱高下が激しい。

食料だけでなく、化学肥料の主な原料である尿素、リン酸アンモニューム、塩化カリウムのほぼ全量を輸入している。

 最近では、ロシア・ウクライナ戦争や、自然災害、新興国の人口増加等により、食料供給が逼迫気味だそうです。

輸出規制している国も出てきたとのこと。

 「水」のことでは私も再三記述してきました。

ところが九州に永く住んでいると、肉も野菜も魚も良質なものが安く手に入るのです。

そのことを当然と考えていました。

しかし、世界を見て大局を知れば、そんな悠長なことは言っておれません。

一時も早く、食糧自給率を上げる政策実行が必要だと理解できます。

10年も経たないうちに、食料価格が3~5倍になる確率は相当ある気がします。

 現在中国が自給率が高いためにあまり問題になっていないそうですが、干ばつや洪水等で自給率が1%減少しただけでも、世界中の食糧需給が1000万トン変わるとの記事には衝撃を受けました。

このような大変な環境下で、政府と一体となり安定した輸入を行っているのが、「全農」と「商社」だそうです。

「商社」については知っていましたが、「全農」が果たす役割が非常に大きいとの内容を初めて知りました。

JAと言えば、国内ではあまり良い話が出てこない気がしていたからです。

 「水」と「食料」は生きていくうえで欠かせません。

「全農」と「商社」に感謝するとともに、一時も早い自給率向上の具体的な政策を打って欲しいと思いました。

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