人間のサガ
新聞の片隅に掲載されていた小さな記事に、ふと目が留まりました。
内容は、書籍等買い取りのブックオフで、従業員による架空の買い取りや不適切な在庫計上の不正行為が、国内24店舗の直営店舗で発覚したとのこと。
取引実態のない買い取りや、買取点数や金額を水増しして現金を着服しているというもの。
我々2輪業界でも最も起こりやすい事案です。
私も30年以上の経営の中で何度か経験しました。
他にも、店ごとのキャンペーンで賞品として提供されたクオカードを着服する。
自賠責保険の解約金額を自分の通帳に振り込ませるetc.
何度も記述していますが、「信頼するが信用しない」。人間のサガというものは弱いものです。
環境等によって魔がさしたりするのです。
その度に、システムを改善してきました。
他の従業員に知られないように、当の本人に優しく理由と回数を問います。
すると、大体複数回同様のことをしている場合が多いのです。
正直に話してくれる人物とそうでない人物に分かれます。
明らかな嘘を言った人物は、自らさっさと辞めて、弊社の悪口を言いふらすのが大体のパターンです。
私も大した人格者ではありません。
軽い不正をした人物が反省をして、それまで以上に仕事に励んでくれればそれで良いのです。
不思議なもので、横領とか盗難とかは最初小さく始まります。
それがバレないと次第に回数が増えたり、規模が大きくなって最終的には白日の下にさらされるのです。
まあ、システム的にも最強と言われ、且つ1円の過不足まで神経を尖らせている銀行でも横領が発覚します。
これらのことは『ある』という前提で経営を行うべきだと思っています。
この24店舗に今後詳細な調査が入るそうですが、恐らく金額や回数に大きなばらつきがあるでしょう。
これらの人々に対する経営陣の対処の仕方にも興味が湧きます。
内容からすると、お客様には迷惑は掛かっていないと思うからです。
私が採用する基準は、「嘘をつきそうにないか、誠実そうか」がほとんどを占めています。
息子達に「小さな嘘をつくな」と小さい頃から諭しているのも、これらの経験からです。
『嘘つきは泥棒の始まり』は、蓋し名言だと思います。