究極の選択

 息子達には、僅かでもよいので日本政策金融公庫から借り入れをしておくようにアドバイスをしています。

これは我がグループ会社のメインバンクがどうこうという訳ではありません。

また借り入れを起こすほどの金額でなくても良いので、十分売り上げも利益も上がっている時にそうしなさいと勧めています。

実態は、億単位の借り入れをメインバンクでしていながら、300万円~500万円ほどを政策金融公庫で行っている状況です。

 随分前までは、政策金融公庫の方が借入利息は低かった時代が長くありました。

弊社グループが成長するにつれ、メインバンクを1行に絞り取引が厚くなると、メインバンクも政策金融公庫を下回る金利で貸してくれるようになり、現在に至っています。

借りても借りなくても良い金額を、メインバンクの金利より高い政策金融公庫で何故借りるのか?

これは一種の保険と考えています。

 もしも弊社グループが倒産の危機に瀕した場合、現在のメインバンクは一般的な取引先よりも我々を優遇はしてくれるでしょう。

しかし、それも限界に来た時に最後に頼れるのは、やはり国の機関だと思います。

追加融資がそう難しくないからです。

一番のポイントは『税の滞納がない事』と、政策金融公庫への今までの返済履歴に傷がない事の二つのみ。

 資金不足に陥って、銀行が追加のお金を貸してくれなくなったら、どうすればよいか?

当然、今ある資産の売却に走ります。リースなどしていたらこれが出来ません。

我々が車や什器備品の全てをキャッシュで購入している理由がここにあります。

そこで得たお金を使う優先順位。

1位.社員の給料(賞与はなし)

2位.税金支払い

3位.社会保険料支払い

銀行や取引先には正直に窮状を訴え、支払いの先延ばしを行います。

上記3つのことさえしていれば、大抵は政策金融公庫は融資を実行するはずです。

 帝国データバンクの調査では、消費税、固定資産税、厚生年金保険などの支払い滞納で倒産する「公租公課滞納倒産」が急増していると日経新聞に掲載されていました。

私の知り合いの同業者も消費税と社会保険料滞納で苦しんでいました。

 究極の選択ではありますが、自然災害を含め何が起こってもおかしくない現在、経営者はそこまで考えなくては駄目だと思っています。

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