今年も何とか

 6月28日(金)に5月の月次決算が出ました。

この5月の決算は弊社グループにとっては大切な月となります。

それは、昨年12月~今年5月までの店ごとの実績に対して賞与を店ごとに支払うからです。

 実績を詳細に調べると、大体予想通りの結果でした。

国産バイクを扱っている長男の会社は、激しい減収減益。

輸入バイクを扱っている次男の会社は、大幅な円安で価格が上がっているにも拘らず増収増益。

長男の会社の業績悪化の原因は、ほとんどがメーカーの売れ筋商品の無さです。

 我がグループは、半期の累計の経常利益の2割を社員に還元すると決めています。

ところが、今回の国産バイクを扱っている長男の会社ように、累計の経常利益が少ない場合、賞与があまり出ないことになります。

私が現役の頃は、シビアにそれに従っていて且つ、社員全員が賞与をいくらもらっているか、個人名で公表していました。

流石に赤字でも「ゼロ」にはしませんでしたが、過去には最低が2万円の人と最高が80万円超の人が混在するという時期があるくらい差がついていました。

 今回、特に業績悪化の長男が頭を悩ませていました。

性格が優しいですね。計算上の金額の賞与では、社員の生活が大変と、規則よりかなり増やした賞与を決めていました。

社長と言っても私の指示で、年収は社員の1.2~1.5倍くらいしかもらっていない長男。

おまけに長男は自己資金を既に運転資金として1500万円ほど会社に注ぎ込んでいます。

 実際、コロナ禍で追い風が吹いて業績が大幅にアップした時には、規則に従い信じられないくらいの賞与を出しました。

実績が悪くてもそこそこ賞与を出すことは、モラルハザードを招く恐れもあります。

私は、子供達の決定には口をはさまないことにしていますが、長男には一言だけ言いました。

『優しさは大切だが、会社をつぶす社長の7割の性格はお人好しだ』と。

恐らく彼がこれほど苦しんで悩んで出す賞与を「本当に有難い」と感じてくれる社員がいかほどいるか?

 次男は粛々と自分自身の考え方を履行するようです。

おまけに同席した税理士に、今年秋の海外の工場見学の社員研修の費用について相談していました。

今年の1~5月累計で4店舗の輸入2輪車を扱う会社が、7店舗の国産2輪車を扱う会社の、売り上げ高と総利益を逆転しました。

 まあ、経営とは息の長い継続が全てです。どちらの経営が正しいのかは誰も分かりません。

息子達がそれぞれ悩み考えて行動すること自体が成長に繋がります。

 創業の翌年から正社員が入社してきて、その夏から賞与を出し始めました。

今年まで途切れずに何とか73回目の賞与を出せたことに、安堵しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

未分類

前の記事

危険な賭け
未分類

次の記事

駑馬十駕