労働分配率
正確には、「人件費÷付加価値×100」で表します。
付加価値の内どれだけを人件費に回したかという指標です。
付加価値の定義と計算方法が複雑なため、私は「付加価値=総利益」で実務的に観測します。
特に2輪業界では近似値になるので問題ないと考えています。
最近、大手企業で賃上げが相次ぎ、中小企業の動向が注目されています。
労働分配率が低くなれば、その分賃上げの余力は増します。
新聞記事によると、中小企業の労働分配率が1992年以来の低水準で70%前後になったと書かれていました。
「えっ、噓でしょう!」とその記事をじっくりと読みました。
理由は、私は息子達に常に45%以内に抑えるように指示しているからです。
労働分配率を低くしても、社員の給料は平均以上にするという目標を持たせています。
理由は簡単です。労働分配率を70%とかにすると、先ず内部留保が出来ない。
そうなると新たな投資が出来なくなり、5年先、10年先が見通せなくなります。
また、いつ何時自然災害や大不況が襲うとも限りません。
その時には「現・預金」が最低でも平均月商の2ヶ月分が必要となります。
弊社の場合、1店舗当たり 15000万円÷12ヶ月×2ヶ月分=2500万円
これが6店舗あるので 2500万円×6店舗分=15000万円をキャッシュとして確保し続けなければならないのです。
労働分配率が70%などあり得ない事なのです。
記事を読み進めていくと少し理解は出来ました。
資本金10億円以上の大企業のそれは、38.8%。資本金1億円~10億円未満は61.4%となっているのです。
更に、零細企業は84.6%となっていて、少し納得しました。
これは、直近3ヶ月の財務省のデータなのですが、経済産業省の年間を通じた小売業の労働分配率は40%前後となっています。
つまり小売業は売上高に対して総利益が少ないのです。
我々2輪業界では、労働分配率云々という前に、如何に総利益率を上げられるかに注力すべきです。
それには何度も言いますが、技術力を上げて整備工賃の総額を増やすことが一番生産性が上がるポイントです。