真剣に考えるべきこと
ここ10年くらい、環境変化のスピード化と複雑化が加速しているように思えます。
私が経営していた30年間とは様変わりです。
息子達には、この変化に対して大きな注意を払うように、会うたびに警告を発しています。
2024年3月末に、長距離トラック運転手と建設業界従事者に対する、労働時間の猶予期間が終わります。
現状のままいくと、荷物の3割近くが今まで通りには、届かなくなる計算だそうです。
建設費も資材の高騰と人件費増でかなり高くなるとのこと。
非常に大変なことですが、実はもっと大変なことが起こることは、あまりマスコミでも取り上げられていません。
2025年問題と2040年問題です。
2025年には、出生数が800万人超と戦後最多の層を形成していた「団塊の世代」が全員後期高齢者の仲間入りをします。
仕事をして収入を得る人はほとんどいなくなり、社会保障費は増大の一方となります。
この後も高齢化が進み、2040年には生産年齢人口(15~64歳)が6213万人となり、2025年比でおよそ1100万人減となるそうです。
私のように引退する人は何ら心配はいりませんが、現役の経営者は、このことを真剣に考えるべきです。
今までとは全然違った景色が現れます。
そこに対応するにはどうしたらよいか、今から考察を深めるべきです。
つい最近同業者から、自分の会社を誰かに譲りたいとの相談を受けました。
年を重ねると共に足腰が痛くなり、目も悪くなって、労働意欲が減退しているとのこと。
土地の価格や在庫金額等を聞き、私なりに回答しましたが、本人が何とかじり貧でも続けたいとの思いが確認できました。
それなら続けるべきだが、じり貧で借入金がきちんと返済できるかどうかは再考した方が良いとアドバイス。
少子高齢化と生産年齢人口減少が必ず訪れることを考えると、我々の業界も思い切った統廃合は避けて通れない気がします。
かといって、世界へ打って出るような業界でもないし、本当に経営が難しくなりそうです。
二輪の日本国内における保有台数は1200万台あります。
その点を考えると、修理はなくならないと思われます。
そこをどう生かしていくかが、生き残りの重要な点です。