私が社長なら
私は自分では、優しい性格だと思っているのですが、真ダムにはいつも「冷たい」と思われているようです。
ですから、私は自分なりに優しい行動に出た時に「ああ、俺って優しい」と言うのですが、その度に「そんなことは自分で言うものではない」と叱責されるのです。
特に会社の経営に関しては、店舗の撤退や社員の役職降格等を、他人が見れば平然と行っているように感じるからでしょう。
私は決断する以前から、他人以上に自分なりにかなりの情報収集を行っている自負があります。
その上で、色んなしがらみや情実もくみしながらも、淡々と決断を下します。
決断の条件はいたってシンプルです。
その決断が「会社の利益につながるかどうか」だけで判断します。
当然、『遵法・公明正大』は大前提です。その次に道徳観が来るくらいです。
2024年1月25日(木)の日経新聞朝刊にJR九州の記事が掲載されていました。
熊本県の大水害で不通になっている肥薩線に関する記事でした。
タイトルが「JR九州、決断の時迫る」という切迫感のあるもの。
内容は、この復旧には莫大なお金が掛かり、それを国や県が補助して、沿線自治体も協力して乗車人数を増やすので、一時も早い復旧をお願いするというもの。
具体的には、JR九州の負担金は25億円まで減額されます。
しかし、この復興案は鉄道復旧によって観光事業が盛り上がり、その利益によって今後毎年3億円にのぼるJR九州の赤字を補填するというものなのです。
私が社長なら、丁寧な言葉を添えて、断ります。
大雨の災害前でも赤字続きだったことと、今後一気にこの沿線の人口減少が始まること、それに何と言っても、絵に描いた餅でも3億円の補助をもらって収支はトントンにしかならないからです。
国鉄時代ならいざ知らず、立派な民間企業であるJR九州。
少々の黒字でも先行きに望みがないような業態は、切り捨てるべきなのに、実現もしていない案でさえもトントンにしかなりません。
少数の沿線住民にとっては、断られたらJR九州の非情を恨むことでしょう。
私から言わせれば、そんな事情は関係ないです。
企業は先ず利益を出すことが最重要です。
その利益の下に、雇用を確保し、税金を納める、この二つだけでも大きな社会貢献なのです。
鉄道が通っていない自治体など無数にあります。たまたま、以前に通っていたからといって既得権益でも何でもありません。