加速する可能性
デフレ下の数年前までは、金融において銀行の存続自体の意義が問われ始め、Fin Tech(フィンテック)なる言葉が世間を賑わしていました。
この言葉は、金融(Finance)と(Technology)を組み合わせた造語です。
大手銀行を始め、地方銀行まで支店の閉鎖や人員削減を公言するようになりました。
実際その通りに削減は進みました。
株価もフィンテックの代名詞だった「マネーフォワード」の株価上昇に対して銀行株はその期間低迷を続けたのです。
ところが現在それらの株価は逆転しています。
今年の5月1日に米国のファーストリパブリックバンクが経営破綻して、その銀行をJPモルガン・チェースが格安で買い取りました。
2022年12月30日の株価 121$が2023年4月28日には 3$まで下落していたのです。
食指を延ばした理由は様々あるのですが、全米で84店舗のリアル店舗を抱えていることが大きかったのです。
最初に破綻したシリコンバレーバンクは17店舗しかありませんでした。
JPモルガンの考え方は、お客様との接点を数多く持つことが顧客満足に繋がるとの見解でした。
2023年9月15日の日経新聞朝刊に面白い記事が掲載されました。
大手銀行が構造改革の名の下に進めてきた、店舗の統廃合を止める動きに転換したというものです。
利用客の満足を考え、且つ金利上昇に伴う預貸金利格差上昇による、本来の銀行経営に回帰しているとのことでした。
リアルとネットの融合が今後盛んになされると思います。ただこのバランスが難しい。
我々のような古い世代は今でも近くのリアル店舗を利用するからです。そして何よりその古い世代の方が金融資産は多く持っています。
ただここまで改革がなされても、九州における地方銀行は数が多過ぎます。
これから金利上昇と共に、九州の地銀の統廃合が加速する可能性を感じました。
一時も早く、どこかの銀行が「筑邦銀行」を買収して欲しいのですが!?