歪(ひずみ)
連日TVや新聞、経済誌等でビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題が取り上げられています。
我々も同業種に入るので、いろんなジャンルで内容を調べています。
一言でいうと、「あり得ない」。大切なお客様の車両を自ら傷つけるなど考えも及びません。
事故の見積もりで、お客様に確認して、「この部分が漏れている」と指摘を受けることはあります。
その時でさえも中立の立場で、事故の影響でついた傷なのかそうでないのかを調べます。
何故このようなあり得ないことが起きたのか自分なりに推測しました。
一番大きな要因は、急成長による歪だと思います。
会社が成長するにつけ、お金と物はついてきます。しかし、人材はそうそう簡単には育たないのです。
中途で人を入れようとすると、一番簡単な方法は大きな報酬を見せることです。
この会社も上場企業でもないのに、年収4000万円以上の人が何人もいたとのこと。
優勝劣敗・信賞必罰の考え方は間違いではありません。しかし、あまりに業績に対しての報酬の差を大きくし過ぎると当然不正が出てきます。
国土交通省と金融庁が乗り出してきました。今更創業者や社長の会見を開いても無駄でしょう。
ジャニーズ事務所の問題と同様遅すぎるのです。
権力者に経営が集中している場合の大きな弊害だと思います。
およそ6000億円前後の売り上げ高と聞いています。
直ぐに倒産という事はないと思われていますが、認証工場・指定工場の取り消し、保険会社の代理店解消、オークション会員の剝奪等が重なれば、年内倒産すらあると私は思っています。
取引先、特にメインバンクが生殺与奪の権利を持っています。
この事件で、一般のお客様も我々の業界に対して不信感を持って当然です。
それを解消するには、どうすべきか?
『工場や整備の見える化』を徹底することです。
直ぐに息子達にも、工場とバックヤードの整理・整頓・清潔・清掃を徹底するように命じました。
更にスタッフに対して躾・作法をきちんと教えることも重要です。
弊社の会社行動規範の6番目に「正道を歩む」というものがあります。
改めて社員全員に浸透させるべきです。