当座貸越
昨日、6月の月次決算が出ました。
新店の長崎と鹿児島はそれぞれ苦戦しましたが、残りの店舗は悪いなりに何とか実績を残していました。
落下傘部隊の新店は、毎月黒字化するには今までの経験上3~5年かかります。
これまでの状況を是非若い感性で打破して欲しいものです。
二つの会社を、長男と次男に譲りました。
ここ数年二人を観察していると、面白い傾向が出てきました。
長男は、石橋をたたいても渡らないタイプ。
次男は、ある程度の川幅ならば、橋をかけずに飛んで向こう岸に渡るタイプ。
私自身は、この二人のちょうど中間のタイプだと思います。
今月の実績の総括は、長男の会社は利益を積み重ね、自己資本比率も48%を超えてきました。営業キャッシュフローも1200万円超え。
次男の会社は大幅な在庫増の影響で、総資産が膨らみ自己資本比率は30%弱に悪化。営業キャッシュフローも赤字のままです。
ここ2年間はコロナの追い風で、増収増益でした。そのせいで今年の8月には予定納税や消費税等でかなりの金額が自動的に引き落とされます。
在庫をかなり多めに仕入れた結果、キャッシュフローが悪化しています。
二人の息子達も、あまりの金額の大きさに借り入れを考えているようです。
特に次男は、製造中止になった車両を大量に仕入れ在庫を大きく膨らませています。
もう一機種同様なことが起こるという事で、これまた多くの台数を仕入れるつもりでいるようです。
更には来年1月に発売される400CCのニューモデルに関してはかなり強気でいるようで、その機種も最大限仕入れると。
もともと輸入バイクは、国産に比較して平均単価がかなり高いのです。
総額5000万円と聞いてとても驚きました。
その戦略的な仕入れに関する借入を銀行へ相談に行ったそうです。
その時に支店長から勧められたものが「当座貸越」。
次男からどう思うと相談を受けたのですが、私はその言葉を知りませんでしたし、それで融資を受けたこともありませんでした。
税理士に聞くと、その融資が通れば素晴らしい事。デメリットは一気にお金が入ってくるので気持ちが大きくなることくらいだろうと。
私も「当座貸越」について調べてみました。
メリットとしては、借り入れごとに契約を結ぶ必要がなく、その結果収入印紙添付も不要。期間内であれば、限度額の範囲内で何度でもお金を借りれる。それも店頭に行く必要もない。
デメリットとしては、審査が融資の中で一番厳しい。金利が高めになる。
銀行融資の審査は、(手形割引→手形貸付→証書貸付→当座貸越)の順で厳しくなるそうです。
次男曰く、支店長の感覚では審査はオッケイだろうと、金利も手形貸付や証書貸付と変わらないという事のようです。
税理士も、大抵の銀行支店でも数社しか審査に通らないとの見解。
チャレンジする価値はあると思うと同時に、経営を二人の息子達に任せて良かったと思った一日でした。