もしも会社が赤字になったら
経営者は誰しも、会社が存続するために黒字になるように努力を続けているはずです。
しかし何らかの原因で赤字に陥った時に、思わず原因を外に求めがちです。
燃料代が上がったから、人手が不足しているから、景気が悪いから・・・
この赤字や経営不振の原因を外に求めては絶対にいけない話は何度もしました。
野球の野村監督の名言として「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」というものが有名です。
この言葉は、実際は江戸時代の長崎県平戸藩第9代藩主『松浦静山」のものです。
失敗した場合には、必ず原因がある。失敗しないためには「運」が味方するように普段から努力を続け「鈍」(凡事徹底)と「根」(最後までやり抜く)に全力を尽くす。
赤字になったら、そこには必ず原因があるのです。
そこから脱却するには何が必要か?
いくら社長一人が考えても解決には至りません。
先ず、社員全員の『意識改革』が必要となります。
社員一人一人にお店や会社の良い点、悪い点、改善すべき点を自宅で記入してもらいます。(秘密は守るということで本音を書いてもらう)
その中から社長が考えていることと一致していることを優先順位をつけて3つ選ぶ。緊急に改善すべきことを優先順位をつけて3つ選ぶ。
それが確定したら、1泊2日で社員と寝食を共にして、全員の同意を取り付け実行に移す。
そしてここが一番重要なのですが、お客様向けだけでなく社員同士でも笑顔と大きな声で挨拶を行う事。
単なる「おはようございます」「お先に失礼します」等だけでなく、「行ってきます」・「行ってらっしゃい」、「ただいま」・「お帰りなさい」の類も口に出して言う事。
次には『計数管理改革』。PL、BS、CFの詳細を社員全員にオープンにして、特にPL上の経費削減に取り組む。
必要なものは購入するが、あったらいいなの商品は我慢する。
BS上は在庫削減に取り組む。2輪業界であれば在庫回転率は最低でも10倍以上は欲しい。
平均在庫が1000万円だったら、売上高1億円で在庫回転率は10倍。
最後は『組織改革』。上記二つのことの進捗状況を経営者は日々チェックして、上手くいかない場合は思い切って社員の異動や役職変更を行う。
その場合も復活の道は残しておく。
社員に好かれる経営者よりも、あの人なら何とかしてくれると思われる社長になることです。