世界標準
商売の初歩さえ知らなかった私ですが、毎年の決算を経ながら、経営には財務知識がないと会社を継続できないことを知ることとなりました。
「経営者は数字に強くなければならない」と、どの経営書にも書かれていることをしっかり理解するのに、税務調査等の体験を経ながら数年かかりました。
その中で一番感じたのが、いつも書いていますが、PLよりもBSが重要ということ。
更に、大きな資金を持たないような中小企業ではCFこそ肝だという事です。
創業したての頃は、資金不足等でリース物件もありました。
毎月定額で損金算入されるので、楽な経費処理でとても便利に思えたものです。
しかし、財務の勉強の理解が進むにつれ、「リース」の最大の欠点が分かりました。それ以降私の会社では「リース」は絶対にやらないと決めました。
理由は、借り入れ等をして運転資金や在庫や設備投資を行った場合、BS上にきちんと長期負債額が明示されます。当然資産も増加します。
借金がいくらあるか毎月理解でき、節約につながるし、利益を出して一時も早く借金を返そうとの意志も働きます。
なるだけ資産も減らして筋肉質の体質にしようと心掛けます。
ところが、「リース」は大きな借金を毎月の金額に分けているだけで、BS上の資産と負債には計上されないのです。
2輪業界の他の店から経営相談を受けて驚いたのが、「ローン」の分割金と「リース」の分割金が全く別物であることを知らない経営者が多くいたことです。
損金に落とせるというだけで、気楽に「リース」を組んでいる人が多いのです。
この「リース」が増えれば増えるほど、一見損金処理が出来て節税に繋がっていると思いがちですが、隠れた借金が大きく膨らんでいることを見落としています。
日本で2026年度に適用される見通しの新たな「リース会計基準」は、現在世界で主流の『全てのリース取引をBS上の資産と負債に計上する」というものです。
日本の会計制度が、弊社グループにやっと追いついてきました。
リース会社の存続に大きく影響することでしょう。