発信の重要性
私は、2輪業界の差別化にはこれから『技術力(整備力)』が一番重要だとの認識を再三述べてきました。
先日ネットで面白い記事を見つけました。
『蘇るヤマハの名車「SR400」が当たるバイク王のキャンペーンがスタート』
中身を詳細に読みますと、我々2輪業界人からみると単純に「1999年製のヤマハSR400をカスタムしたものを1台抽選で差し上げる」という単純な企画。
ところが、発信の仕方が実にうまい。バイクライフをサポートするために整備力を向上させるべく社内でコンテストを行っている。そのバイク王の整備力が詰まった商品だというのです。
今後は「バイク王の整備力」という点のアピールを増やしていくと思われます。
もともとバイクの買取から始まったこの会社が、買取したバイクをオークションに流すばかりではなく自社で直接販売した方が利益が出ると、販売台数が増えていきます。
増えるにしたがって、中古車本来の修理の多さに気づき始めたのでしょう。
バイク王は日本国内のメーカーだけでなく輸入車メーカーとも取引がありません。
当然その分情報量は各社の専門店に比較して少なく、商品知識や整備力には差が出ます。
そこを何とかして補完するための策だと思います。
一般的に2輪業界は、「新車販売→整備→下取り(中古)販売」となります。
バイク王は「バイク買取→販売→整備」とのステップを踏んでいると思われます。
最終的にお客様に満足をしてもらうためには、整備が一番重要だとの認識に至ったのでしょう。
2輪業界全体にとっても、技術力向上はとても良いことです。更に努力を続けて欲しいものです。
初心者がこのキャンペーンを見たら、「バイク王の技術力」に安心を感じるでしょう。
一方、専門店は自分達の技術力を全然発信していません。当たり前と思っているからです。
私はここに大きな問題があると感じています。門外漢で入った二輪業界だからこそわかるのですが、「安心・安全」は全て技術力から来るものという認識をもっと徹底すべきです。
分かりやすく言えば、「人の命を預かっている」ということです。
表現等に工夫しながら、商品力だけでなく技術力もどんどん発信する必要性を強く感じた記事でした。