ドミナント戦略
dominantとは英語で「支配的な・最も有力な・優勢な」等の意味があります。
ドミナント戦略は、経営戦略の一つで、有名なのはセブンイレブンです。
コンビニ勃興の頃、セブンイレブンとローソンではその戦略が大きく違っていました。
前者は特定の地域に集中出店するドミナント戦略、後者は日本全国にいち早く出店すること。
セブンイレブンが全国制覇するのは2019年の沖縄出店で、ローソンに遅れること22年もかかりました。
しかし、実績を比較すると、圧倒的にセブンイレブンが優勢なのです。
「JCB THE PREMIUM」という雑誌に、以前私が興味を持った経営者の話が掲載されていました。
『カクヤス酒店』の3代目の当主の佐藤順一氏の話です。
2021年で創業100年を超えるこの店、当時の売り上げ高15億円を彼の手で1000億円超として2019年に東証2部に上場させました。
1981年に後を継いでから僅か18年後のことです。
この店の売りは、兎に角東京都内に限りの「超ドミナント戦略」なのです。
2011年に都内に160店舗を展開して都内を網羅することに。その上で1時間以内の配送とお酒1本の配送でも無料という戦術で急成長したのです。
ここまでくると、大手では真似ができなくなります。
東京都の人口はおよそ1300万人。九州(沖縄を除く)で約1100万人。
私はこの九州でドミナント戦略を進めれば、いつの間にか九州が世界のトップ級の都市になった時には、大成功を甘受できると考えています。
彼の言葉は、非常に合点のいくものでした。
『でかいことをやる必要はなく、細かい事が大事なのです。ほんの少しの差でお客さんに選んでもらう。その積み重ねが、いつか途轍もない差になる。勝ち方というものは、そういうものだと思いますね』