先手

 インフレがかなり進行してきて、大企業を中心に給与を上げる動きが活発化しています。

一方大手信用会社の調査によると、中小企業の7割がそれが出来ていないとのこと。

そして、そのことでただでさえ人材不足なのに人材の流失が始まり、倒産する事例が増えているそうです。

 私が2輪業界に入った時、それこそ社員の給料は他の業種に比較しても安いものでした。

国家資格を持っていながら、長時間労働も当然のように行われていました。

 このことは、業界の人事における構造的な問題がありました。

大抵のバイクショップは、店主が整備が出来てスタッフとは徒弟制度のような感じが殆どだったのです。

 私の場合は、自分が殆ど整備が出来ません。メカニックに辞められると会社が経営できなくなるのです。

そこで、メカニックが辞めないようにするには、彼等が働きやすい環境を整えることが一番と考えるようになりました。

 休みを増やしたり給料を増やすためには、財源がいります。

売り上げと利益を増やすためにはどうしたらよいか常々考えていました。

その時に、大きな利益が出ても、社長の給料は抑えて、スタッフに還元するという事を繰り返したのです。

 随分前のカスタムブームの時には大きな利益が出て、社員旅行を5年続けて海外にしたほどです。

その後は、休日を増やし、一日の終業時間を短くすることに苦心しました。

先行してそれをやっていたお陰で、「働き方改革」の法案が出来ても何ら問題もありませんでした。

 給与に関しても、毎年少しずつですが上げてきたので、今回も問題はなさそうです。

他にも理由はあるかもしれませんが、弊社グループには15年以上勤務してくれて、店舗を任せられる人材がまだまだいます。

 人材がいる以上、世の中が不景気になろうが、今後も出店を加速したいと考えています。

株式投資と同じ『逆張り』です。

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