恐怖と思った方が良い

 30年間もデフレの状況下にあった日本国。

物価は上がらず、現金の優位性が顕著の時代でした。

勤勉な日本人は、ひたすら貯蓄に励み、その効果で日本政府の借金がGDPの200%を超えても尚破綻しない要因ともなっています。

 しかし、私が何度も言いますように、これからはインフレになっていきます。

身近な事を考えればすぐに理解できます。

ガソリン代、住宅費、生鮮食料品、ユニクロの衣料の価格上昇、コンビニ弁当の価格上昇、etc.

これらのことが、来年や再来年に終了するかもしれないなどと考えていたらとんでもないことです。

現在の日本のインフレ率は、世界のなかでも異常なくらい低いものです。

欧米の7%以上のそれが3%くらいだからです。

日銀はこの数値を経常的に2%にしようと考え行動しています。

 たかが2%と思うなかれ。

老後資金に何とか1000万円を貯めたとしましょう。

この貯蓄金額は毎年2%のインフレが続くと仮定したら一体いくらの価値になるのか?

10年後には820万円、20年後には672万円となるのです。

 この試算はあくまでも貯蓄だけで利息は勘案していません。

インフレに伴い利子が大きくなればその分増えはします。

しかし低成長下の日本でそのことはあまり期待できないと考えます。

 日経新聞に面白い試算が掲載されていました。

現在のゆとりある老後の生活費は二人で月額37.9万円だそうです。

毎年2%のインフレが起こりながらもこの生活を維持しようとすれば、10年後には46.2万円20年後には56.3万円掛かるという衝撃的なものです。

 賃金が上がる若い時代は何とかなるでしょう。ところが年金だけの老後は、インフレはかなりの障害となるのです。

ここまでの予測がなされても、動かない人は動きません。

20年後もゆとりをもって暮らせる人は、インフレ率以上に資産を増やした人か、自給自足が出来る人しかいない気がします。

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